2025年10月、ふるさと納税の仲介サイトによるポイント還元が全面禁止された。「楽天ふるさと納税で10%還元」「ふるなびコインで交換」といったお得な使い方は、もう過去の話だ。
さらに2026年10月には返礼品の経費基準が厳格化され、同じ寄付額でもらえる返礼品の質・量が下がる可能性が高い。筆者自身、三児の母として毎年ふるさと納税で食費を圧縮してきたが、2025年の制度変更後に「何が変わって何が残っているのか」を整理し直す必要があった。
結論から言うと、ポイント還元は消えてもクレジットカード決済によるカードポイントは対象外であり、決済方法の選び方次第でまだ実質的な還元は得られる。本記事では、2026年4月時点の最新情報をもとに、損しないための寄付タイミングと決済方法を解説する。
ふるさと納税ポイント還元禁止とは?2025年10月の制度変更を整理
2025年10月1日から施行された改正地方税法により、ふるさと納税の仲介サイト(ポータルサイト)が寄付者に対してポイントや特典を付与することが禁止された。
具体的に禁止されたのは以下のような還元だ。
- 楽天ふるさと納税での楽天ポイント還元(寄付額に対するポイント付与)
- ふるなびの「ふるなびコイン」付与
- さとふるの「さとふるマイポイント」
- 各ポータルサイト独自のキャンペーンによるAmazonギフト券等の還元
この規制の根拠は、2024年6月に公布された改正地方税法(令和6年法律第4号)だ。総務省は「ポイント競争が過熱し、制度本来の趣旨(地方への寄付)から逸脱している」として規制に踏み切った。
つまり、「楽天お買い物マラソンでふるさと納税してポイント20倍」のような使い方はできなくなった。2024年まで年間で数万円分のポイントを得ていた人にとっては、大きな変化だ。
2026年10月の返礼品基準厳格化で何が変わるのか
2025年10月のポイント禁止に続き、総務省は2026年10月を目処に返礼品の経費基準をさらに厳格化する方針を示している。
現行ルールでは、返礼品の調達費は寄付額の3割以下、返礼品に関する経費全体(送料・事務費含む)は寄付額の5割以下とされている。2026年10月以降は、この「5割ルール」の算定方法がより厳密になる見込みだ。
具体的には以下のような影響が想定される。
- 返礼品の量が減る: 同じ1万円の寄付で届く米や肉の量が1〜2割減少する可能性
- 送料込みで5割の計算が厳格化され、冷凍・冷蔵品など配送コストの高い返礼品が影響を受けやすい
- 地場産品基準の強化: 加工品の原材料まで地元産であることが求められるケースが増える
要するに、2026年9月までと10月以降では、同じ寄付額に対する返礼品のお得度が変わる可能性が高い。「駆け込み」で寄付すべきかどうかは、後述のタイミング戦略で解説する。
ポイント廃止後もクレカ決済ポイントは対象外——還元を最大化する決済方法
ポータルサイトのポイント還元は禁止されたが、クレジットカード決済で付与されるカードポイントは規制の対象外だ。これは総務省が「カード会社のポイント制度はふるさと納税ポータルが付与するものではない」と整理しているためだ。
うちは毎年12月に家族の控除限度額をまとめて寄付するが、決済カードを変えただけで年間3,000〜5,000円分のポイント差が出た年もある。具体的な決済方法ごとの還元率を整理する(2026年4月時点)。
高還元率カードの例
- 楽天カード: 楽天ふるさと納税で1%還元(楽天市場経由のSPU上乗せは廃止済み)
- 三井住友カード(NL): さとふる・ふるさとチョイス等で0.5〜1%還元。Vポイント付与
- JCBカードW: 基本1%還元(OkiDokiポイント換算)。39歳以下限定で発行可能
- PayPayカード: Yahoo!ショッピング経由で1%還元
ポイント還元禁止前は「楽天お買い物マラソン+SPU」で実質10〜20%還元も可能だったが、2026年4月現在はカード決済の1%前後が実質的な上限だ。それでも10万円の寄付なら1,000円相当のポイントが得られる計算になる。
決済方法の選び方
結論から言うと、以下の優先順位で決済方法を選ぶのがよい。
- 普段使いの高還元カードで直接決済(ポイント集約のメリットが大きい)
- Amazon Pay・PayPay等のキャッシュレス決済に対応しているポータルなら、カード+決済アプリの二段階でポイントが付く場合がある(各サービスの規約を要確認)
- 銀行振込・コンビニ払いはポイントが付かないため、特別な理由がない限り避ける
還元率の高い返礼品の選び方|2026年9月までに狙うべきジャンル
ポイント還元がなくなった今、ふるさと納税の「お得度」は返礼品そのものの還元率(市場価格÷寄付額)で決まる。
2026年4月時点で還元率が高いとされるジャンルは以下の通りだ。
還元率が高いジャンル
- 米: 1万円の寄付で15〜20kg届く自治体が多い。スーパーで買うと5kg=2,000〜2,500円なので、還元率30〜50%に相当する
- 豚肉・鶏肉: 1万円で3〜5kg届くケースあり。牛肉より還元率が高い傾向
- 日用品(トイレットペーパー・ティッシュ): かさばるが還元率は安定して高い
- 果物(旬の時期限定): シャインマスカット・桃など。旬の時期に届く定期便がお得
還元率が下がりやすいジャンル
- 冷凍配送が必要な海産物: 送料が経費に含まれるため、基準厳格化の影響を受けやすい
- 加工品・スイーツ: 原材料の地場産品基準が厳しくなる傾向
- 家電・ギフト券: すでに多くの自治体で取り扱い終了
2026年10月の基準厳格化後に量が減る可能性があるため、米・肉など保存がきく食品は2026年9月までに寄付しておくのが合理的だ。
寄付タイミングの最適解|2026年の年間スケジュール
ふるさと納税は1月1日〜12月31日の寄付が、その年の所得税・住民税の控除対象になる。では2026年はいつ寄付するのがベストか。
2026年の寄付タイミング戦略
- 1〜6月(今すぐ): 前年の源泉徴収票で控除限度額を概算し、確定的な分から寄付を始める。人気の返礼品は年末に品切れになるため、早めの申し込みが有利
- 7〜9月(駆け込み推奨): 2026年10月の基準厳格化前に、米・肉など保存がきく返礼品を確保する。この時期が「実質的な駆け込みライン」
- 10〜11月: 基準厳格化後。返礼品の内容が変わっている可能性があるため、各ポータルサイトで最新情報を確認してから申し込む
- 12月: 年収が確定する時期。限度額の残り枠を使い切る調整用。ただし年末は配送遅延リスクがあるため、12月上旬までに完了するのが安全
控除限度額の確認方法
寄付しすぎると自己負担が2,000円を超えてしまう。限度額の目安は以下の通りだ(2026年4月時点、独身・扶養なしの場合)。
- 年収400万円: 約42,000円
- 年収500万円: 約61,000円
- 年収600万円: 約77,000円
- 年収700万円: 約108,000円
※共働き・扶養家族ありの場合は異なる。総務省の控除額シミュレーションや各ポータルサイトのシミュレーターで正確な金額を確認しよう。
ワンストップ特例と確定申告——手続きで損しないために
ふるさと納税の控除を受けるには、「ワンストップ特例制度」か「確定申告」のどちらかの手続きが必要だ。
- ワンストップ特例: 寄付先が5自治体以内なら確定申告不要。寄付のたびに申請書を自治体に送る(オンライン申請対応の自治体も増加中)
- 確定申告: 6自治体以上に寄付した場合、または医療費控除・住宅ローン控除(初年度)がある場合に必要
注意点として、ワンストップ特例の申請期限は翌年1月10日必着だ。12月末に寄付した場合、申請書の提出が間に合わないケースがある。オンライン申請に対応している自治体を選ぶか、早めに手続きを済ませよう。
FAQ
ポイント還元禁止後、楽天ふるさと納税を使うメリットはあるのか?
楽天カード決済による1%のカードポイントは引き続き付与される。ただし、SPUやお買い物マラソンによる上乗せポイントはふるさと納税に対しては適用されなくなったため、他のポータルサイトとの差は小さくなっている。使い慣れたサイトを選ぶのが現実的だ。
2026年10月の基準厳格化前に「駆け込み寄付」すべきか?
保存がきく食品(米・冷凍肉など)は7〜9月に寄付しておくと、現行基準の返礼品を受け取れる可能性が高い。ただし、すべての返礼品が値下げされるわけではないため、必要なものだけ前倒しするのが合理的だ。
ふるさと納税のポイント廃止で「損」する金額はどのくらい?
2024年まで楽天ふるさと納税でSPU+マラソンを活用していた場合、年間5万円の寄付で5,000〜10,000円分のポイントを得ていたケースがある。2025年10月以降はカード決済の1%(500円分)程度に縮小した。年間の差額は4,500〜9,500円相当だ。
クレジットカード以外でポイントを貯める方法はあるか?
一部のポータルサイトではPayPay・d払いなどのキャッシュレス決済に対応しており、決済アプリ側のポイントが付く場合がある。ただし、還元率やキャンペーン条件は頻繁に変わるため、寄付前に最新の規約を確認するのが確実だ。
参考文献
- ふるさと納税に関する現況調査・通知等 — 総務省
- ふるさと納税のしくみ|税金の控除について — 総務省
- ふるさと納税(寄附金控除) — 国税庁タックスアンサー
- ふるさとチョイス — トラストバンク