2026年度の再エネ賦課金は4.18円/kWh。2025年度の3.49円/kWhから約20%の引き上げだ。さらに、2023年1月から続いていた政府の電気・ガス価格激変緩和措置(いわゆる補助金)は2024年5月使用分で終了しており、もう値引きの後ろ盾はない。

4人家族の平均的な夏の電力使用量は月400〜500kWh。再エネ賦課金だけで月1,672〜2,090円が上乗せされる計算になる。エアコンをフル稼働させる7〜8月は電気代が月15,000〜20,000円に跳ね上がる家庭も多い。

筆者自身、物販をやっていた時代は在庫の倉庫にエアコンを24時間回して月4万円近い電気代を払っていた苦い経験がある。今は固定費の見直しに徹底的に取り組んでいて、三児の母として家計を守る立場から「本当に効果があった方法」だけを紹介する。

この記事では、2026年夏に月2,000円の電気代削減を実現するための即効アクション5つを、具体的な金額シミュレーション付きで解説する。

2026年度の再エネ賦課金4.18円/kWhとは何か

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、太陽光・風力などの再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)を支えるために、電気の使用者全員が負担する費用だ。電気料金の明細に「再エネ発電賦課金」として記載されている。

経済産業省の2025年3月発表によると、2026年度(2026年5月〜2027年4月検針分)の単価は4.18円/kWhに決定した。推移を見ると、2022年度の3.45円/kWhから一度1.40円/kWhまで下がった後、再び上昇に転じている。

つまり、電気を使えば使うほど負担が増える構造だ。月400kWhの家庭なら月1,672円、月500kWhなら月2,090円が再エネ賦課金として徴収される。年間では約2万〜2.5万円にのぼる。

政府補助金の終了で2026年夏の電気代はいくらになるか

2023年1月〜2024年5月使用分まで適用されていた「電気・ガス価格激変緩和対策事業」では、電気代が1kWhあたり最大3.5円値引きされていた。この補助金はすでに終了しており、2026年夏には適用されない。

結論から言うと、4人家族(月450kWh使用)の場合、2026年夏の電気代は以下のように試算できる。

項目単価(税込目安)月450kWh使用時
基本料金(従量電灯B・40A)約1,180円1,180円
電力量料金(3段階平均)約30円/kWh13,500円
燃料費調整額変動約▲500〜+1,000円
再エネ賦課金4.18円/kWh1,881円
合計約16,000〜17,500円

2023年夏に補助金が3.5円/kWh適用されていた時期と比べると、同じ使用量でも月2,000〜3,000円高い計算だ。電気代を下げたいなら、使用量そのものを減らすか、単価の安い電力会社に乗り換えるかの二択になる。

月2000円削減する具体策5つ

策1:エアコンは26〜28℃固定+つけっぱなし運用で月500〜800円削減

資源エネルギー庁の省エネポータルによると、エアコンの設定温度を1℃上げると消費電力が約13%削減される。夏場に24℃設定を27℃に変えるだけで、月500〜800円の節約が期待できる。

また、30分〜1時間程度の外出であればつけっぱなしの方が電気代は安くなる。エアコンは起動時に最も電力を消費するためだ。ただし、数時間以上の外出ではオフにした方が得なので、「1時間以内の外出ならつけたまま」をルールにするとよい。

うちでは子ども3人がリビングに集まる時間帯はエアコン1台で済ませるようにしている。部屋ごとに1台ずつ稼働させていた頃と比べて、月1,000円近く下がった実感がある。

策2:新電力への乗り換えで月300〜700円削減

電力自由化から10年が経ち、新電力各社の料金プランは成熟してきた。大手電力の従量電灯プランをそのまま使っている家庭は、乗り換えるだけで電気代が3〜5%安くなるケースが多い。

2026年5月時点で、4人家族(月400〜500kWh)向けに料金メリットが出やすい新電力の例を挙げる。

  • Looopでんき:市場連動型で、昼間の在宅が少ない共働き家庭向き。深夜帯は割安になりやすい
  • オクトパスエナジー:固定単価で分かりやすい。月450kWh使用時、東電従量電灯Bと比べて月400〜600円安くなる試算
  • 東京ガスの電気:ガスとセット割で月275円引き。すでに東京ガスを使っているなら手続きが楽

注意点として、市場連動型プランは電力卸売市場の価格高騰時にかえって高くなるリスクがある。2022年冬のような極端な高騰は制度改正で抑制される方向だが、リスク許容度が低い家庭は固定単価型を選ぶのが無難だ。

乗り換えはエネチェンジ等の比較サイトで現在の電力使用量を入力すれば、年間の節約額がシミュレーションできる。手続きはWebで完結し、工事も不要なケースがほとんどだ。

策3:省エネ家電への買い替え+補助金活用で月400〜800円削減

10年前のエアコンと最新モデルでは、消費電力が20〜40%違う。冷蔵庫も同様で、2015年製と2025年製では年間電気代が3,000〜5,000円変わることがある。

2026年5月時点で活用できる主な補助金・ポイント制度は以下のとおり。

  • 各自治体の省エネ家電買い替え補助金:東京都の「東京ゼロエミポイント」は省エネ性能の高いエアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明器具の買い替えで最大26,000円相当のポイントが付与される(東京ゼロエミポイント公式サイト、2026年5月時点)。他の自治体でも同様の制度があるため、「お住まいの自治体名+省エネ家電 補助金」で検索してほしい
  • 家電量販店の下取り・買い替えキャンペーン:ヤマダ電機やビックカメラでは買い替え時に旧機種を下取りし、ポイント還元するキャンペーンを定期的に実施している

要するに、10年以上前の家電をまだ使っているなら、補助金込みで買い替えた方が2〜3年で元が取れる計算になる。

策4:待機電力カットと照明LED化で月200〜400円削減

資源エネルギー庁によると、家庭の待機電力は消費電力全体の約5.1%を占める。月15,000円の電気代なら、約765円が「使っていない家電のコンセントに刺さっているだけ」で消えている計算だ。

効果が大きいのは以下の対策。

  • テレビ・レコーダーの主電源オフ:リモコン待機だけで年間500〜800円
  • 温水洗浄便座のフタを閉める+節電モード:年間約1,000円の削減効果
  • スイッチ付き電源タップ:使わない時間帯はスイッチをオフにするだけ。1個500〜1,000円程度の投資で長期的に回収できる
  • 照明のLED化:白熱灯からLEDに替えると消費電力が約85%減る。蛍光灯からでも約50%減

地味だが、これらを組み合わせると月200〜400円の削減は十分可能だ。

策5:電気料金プランの見直し(時間帯別・アンペア変更)で月100〜300円削減

意外と見落とされがちなのが、契約アンペア数の見直しだ。アンペア制の電力会社(東京電力など)では、60Aから40Aに下げるだけで基本料金が月572円安くなる(東京電力従量電灯B、2026年5月時点)。

4人家族でも、IHクッキングヒーターやオール電化でなければ40Aで足りるケースは多い。ブレーカーが頻繁に落ちるようなら戻せばいいので、まずは試してみる価値がある。

また、共働きで昼間は不在の家庭なら、夜間の電力単価が安くなる時間帯別プランも検討に値する。ただし在宅勤務が多い場合は逆効果になるため、自分の生活パターンに合っているかの確認が必要だ。

5つの策を組み合わせた削減シミュレーション

ここまでの5つの策を、4人家族・月450kWh使用の場合で合算してみよう。

対策月額削減の目安初期費用
エアコン26〜28℃固定+つけっぱなし運用500〜800円0円
新電力への乗り換え300〜700円0円
省エネ家電買い替え+補助金400〜800円数万円(補助金で一部回収)
待機電力カット・LED化200〜400円数千円
アンペア変更・プラン見直し100〜300円0円
合計1,500〜3,000円

全部を一度にやる必要はない。初期費用ゼロの策1・2・5だけでも月900〜1,800円の削減が見込める。まずは今日できることから始めて、家電の買い替えタイミングで策3を上乗せしていくのが現実的だ。

FAQ

再エネ賦課金は今後さらに上がるのか?

経済産業省の試算では、FIT買取期間の満了が進む2030年代以降は徐々に低下する見通しだ。ただし短期的には太陽光の新規認定案件が多く、2027年度も現水準前後で推移する可能性が高い。

新電力に乗り換えて停電リスクは増えないか?

送配電網は大手電力の送配電会社が維持管理しており、どの小売電気事業者と契約しても送電品質は同じだ。万が一、契約先の新電力が経営破綻しても、大手電力のセーフティネット供給に自動移行する仕組みがある。

エアコンのつけっぱなしは本当に得なのか?

ダイキンの実証実験(2023年発表)では、日中30分以内の外出ならつけっぱなしの方が電気代は安い結果が出ている。ただし外気温や建物の断熱性能によって損益分岐点は変わるため、1時間以上の外出ではオフにするのが無難だ。

賃貸住まいでもできる節電対策はあるか?

策1(エアコン温度設定)、策2(新電力乗り換え)、策4(待機電力カット・LED化)は賃貸でもすぐ実行できる。窓に断熱フィルムを貼る、遮熱カーテンに替えるといった対策も退去時に原状回復が容易だ。

オール電化住宅の場合、再エネ賦課金の影響はさらに大きいか?

オール電化は月600〜800kWhを使う家庭も多く、再エネ賦課金だけで月2,500〜3,300円になる。時間帯別プランで深夜にエコキュートを稼働させるなど、使用時間帯の最適化が特に重要だ。

参考文献