2026年3月使用分を最後に、政府の電気・ガス料金支援が終了した。さらに2026年5月検針分からは再エネ賦課金が3.98円→4.18円/kWhへ引き上げられ、4人家族で月500〜1,000円の負担増が見込まれる。

筆者は三児の母として日々の光熱費と格闘している。物販時代に在庫で月15万吹っ飛ばした経験から、「出ていくお金を減らす」ほうが確実だと身に染みている。今回は、うちの5月の請求書データをベースに、実際に月3,000円の削減に成功した5つの方法を具体的な手順つきで紹介する。

2026年5月、電気代はなぜ上がったのか

値上がりの原因は大きく2つある。

1つ目は、電気・ガス料金支援の終了だ。政府は2026年1〜3月使用分に対して電気・ガス料金の補助を実施していたが、資源エネルギー庁の公式ページによると、3月使用分(4月請求分)を最後に終了した。この補助がなくなったことで、4人家族の場合は月500〜800円程度の負担増となる。

2つ目は、再エネ賦課金の引き上げだ。経済産業省の発表(2026年3月)によると、2026年度の再エネ賦課金単価は4.18円/kWhに決定。2025年度の3.98円/kWhから0.20円の値上がりとなった。月400kWh使う世帯なら月額80円、年間約960円の追加負担だ。

結論から言うと、補助終了+再エネ賦課金で、4人家族の電気代は月800〜1,000円ほど上がる計算になる。総務省の家計調査によれば4人世帯の電気代平均は月約13,000〜14,000円(2025年時点)。ここに値上がり分が乗る形だ。

方法1:電力会社の乗り換えで月500〜1,500円削減

もっとも即効性が高いのが、電力会社の見直しだ。大手電力の従量電灯プランのまま放置している家庭は、新電力への乗り換えだけで月500〜1,500円安くなるケースが多い。

具体的な手順:

  1. 直近の検針票(使用量kWh・契約アンペア数)を手元に用意する
  2. エネチェンジなどの比較サイトで、郵便番号・世帯人数・使用量を入力してシミュレーションする
  3. 年間削減額が大きい上位3社を比較し、解約金の有無・燃料費調整額の計算方式を確認する
  4. 申し込みはWebで完結。切替工事は不要で、スマートメーター設置済みなら2〜3週間で切り替わる

2026年5月時点で注目のプラン例:

  • Looopでんき:基本料金0円の市場連動型。電気を多く使う4人家族ほど従来プランとの差額が大きい。解約金なし
  • オクトパスエナジー:固定単価型で料金が安定。初回4ヶ月間は毎月1,000円割引キャンペーンあり(2026年5月時点)。解約金なし
  • CDエナジーダイレクト:家族向けプランが充実。ポイント還元との組み合わせで実質的な削減額が大きい

注意点として、市場連動型プランは電力市場価格に連動するため、冬場の高騰リスクがある。安定志向なら固定単価型を選ぼう。うちはオクトパスエナジーに切り替えて、月約800円の削減になった。

方法2:照明のLED化で月300〜500円削減

意外と見落としがちなのが照明だ。環境省の節電アクションによると、家庭の消費電力のうち照明は約13%を占める。

LED化の効果(4人家族・4LDKの場合):

  • 蛍光灯シーリングライト(32W+40W)→ LEDシーリングライト(34W)に交換すると、1台あたり年間約1,200円の節約
  • リビング・ダイニング・子ども部屋3室・寝室の計5台を交換すれば、年間約6,000円(月500円)の削減
  • LEDシーリングライトは1台3,000〜5,000円で購入でき、寿命は約40,000時間(1日10時間使用で約11年)

初期投資は5台で15,000〜25,000円だが、年間6,000円の節約が続くので2〜4年で元が取れる。蛍光灯の交換時期が来たタイミングで順次切り替えるのが負担が少ない。

方法3:待機電力カットで月250〜600円削減

エネチェンジの調査によると、一般家庭の待機電力は年間約228kWh、電気代にして年間約7,000円にもなる。つまり月580円が「使っていない家電」に消えている計算だ。

すぐできる対策:

  1. 節電タップの導入:個別スイッチ付きの電源タップ(6口で800〜1,200円)をテレビ周り・PC周りに設置。使わない時はスイッチをオフにする
  2. 待機電力が大きい家電を把握する:テレビ(年間約500円)、エアコン(年間約900円)、温水洗浄便座(年間約1,300円)が上位。便座はフタを閉めて節電モードにするだけでも年間約800円削減できる
  3. 使っていない部屋のコンセントを抜く:子ども部屋や客間など、普段使わない部屋の家電は元からプラグを抜いておく

すべて徹底すれば年間約3,000〜7,000円(月250〜600円)の節約になる。節電タップは初期投資も安く、今日から始められる対策だ。

方法4:エアコンの使い方見直しで月500〜800円削減

家庭の消費電力で最大の割合を占めるのがエアコンだ。使い方を少し変えるだけで大きな効果がある。

具体的な見直しポイント:

  • 設定温度の調整:冷房を1℃上げると約13%、暖房を1℃下げると約10%の節電になる(環境省データ)。夏は28℃、冬は20℃が目安
  • フィルター掃除:2週間に1回の掃除で冷暖房効率が約5〜10%改善。年間約860円の節約になる
  • サーキュレーターの併用:3,000〜5,000円のサーキュレーターを併用すると、冷暖房の効きが良くなり設定温度を1〜2℃緩められる
  • つけっぱなし運転:30分程度の外出ならつけっぱなしのほうが電気代が安い。起動時に最も電力を消費するためだ

うちは3台のエアコンすべてにサーキュレーターを併用し、フィルター掃除を月2回に増やした。これだけで夏場の電気代が前年比で月約700円下がった。

方法5:契約アンペア数の見直しで月300〜600円削減

意外と盲点なのが、電力会社との契約アンペア数だ。引っ越し時のまま60Aで契約している家庭は多いが、実際の使用状況に合わせて下げるだけで基本料金が安くなる。

アンペア数と基本料金(東京電力の場合・2026年5月時点):

  • 60A:約1,716円/月
  • 50A:約1,430円/月
  • 40A:約1,144円/月

60A→40Aに変更すれば、それだけで月572円(年間6,864円)の節約になる。

見直しの手順:

  1. 検針票で現在の契約アンペア数を確認する
  2. 家族の生活パターンで同時に使う家電を洗い出す(エアコン+電子レンジ+ドライヤーなど)
  3. 同時使用の合計が契約アンペア数の80%以内なら、1段階下げても問題ない
  4. 変更は電力会社に電話・Webで申し込み。工事費は基本無料

ただし、下げすぎるとブレーカーが頻繁に落ちる。4人家族なら40Aが下限の目安だ。不安なら50Aから試してみよう。

5つの方法の合計削減額まとめ

ここまでの5つの方法を組み合わせた場合の月間削減額の目安をまとめる。

方法月間削減額の目安初期費用
電力会社の乗り換え500〜1,500円0円
照明のLED化300〜500円15,000〜25,000円
待機電力カット250〜600円1,000〜3,000円
エアコンの使い方見直し500〜800円0〜5,000円
契約アンペア数の見直し300〜600円0円
合計1,850〜4,000円16,000〜33,000円

すべてを実践すれば月3,000円前後の削減は十分に現実的だ。初期費用がかかるLED化は段階的に進め、まずは費用ゼロの「電力会社の乗り換え」「アンペア数の見直し」「エアコンの設定変更」から始めるのがおすすめだ。

FAQ

電力会社を乗り換えると停電のリスクは増える?

増えない。新電力も送電網は大手電力と同じものを使うため、供給の安定性は変わらない。万が一、新電力が事業撤退しても、地域の大手電力が自動的にバックアップ供給を行う仕組みになっている。

再エネ賦課金は今後さらに上がる?

短期的には上昇傾向が続く見込みだ。FIT制度による買取総額が増加しているためだが、2030年代にはFIT期間が終了する設備が増えるため、ピークアウトするとの予測もある。2026年度は4.18円/kWhで、前年度から0.20円の上昇にとどまっている。

オール電化住宅でも新電力に乗り換えられる?

可能だ。ただし、深夜料金が安い「オール電化向けプラン」を提供している新電力は限られる。Looopでんきの「スマートタイムONE」など、オール電化対応プランがある会社を選ぼう。乗り換え前に必ずシミュレーションで現在のプランと比較すること。

賃貸でもアンペア数の変更はできる?

基本的にはできる。アンペア数の変更は電力会社との契約変更であり、大家や管理会社の許可は通常不要だ。ただし、電気設備の老朽化などで工事が必要な場合は管理会社に相談しよう。変更は無料で、電力会社への連絡だけで済む。

ガス代の節約方法は?

ガス補助も2026年3月使用分で終了している。ガス代の削減には、給湯温度を40℃→38℃に下げる(年間約2,000円節約)、食洗機の導入(手洗いより年間約8,000円節約)、都市ガスの場合はガス会社の乗り換え検討が有効だ。プロパンガスの場合は複数社から見積もりを取ることで大幅に安くなるケースがある。

参考文献