「新NISAを始めたいけど、SBI証券と楽天証券どっちがいいの?」——これは編集部に届く質問で断トツに多い。結論から言うと、どちらも業界トップクラスの優良ネット証券だが、ポイント経済圏・クレカ積立の還元率・アプリの操作感で「合う人・合わない人」がはっきり分かれる。
自分も両方の口座を開いて3年ほど使い比べてきた。この記事では2026年6月時点の最新情報をもとに、7つの比較軸で数字を並べて整理した。夏のボーナスで投資デビューを考えている人は、この記事を読めば口座開設先を即決できるはずだ。
新NISA制度のおさらい|年間投資枠と生涯上限
まず前提として、2024年1月にスタートした新NISAの枠組みを確認しておこう。
- つみたて投資枠: 年間120万円(対象は金融庁の基準を満たした投資信託)
- 成長投資枠: 年間240万円(個別株・ETF・投資信託など幅広く対象)
- 生涯非課税保有限度額: 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- 非課税期間: 無期限
つみたて投資枠と成長投資枠は併用可能で、年間最大360万円まで非課税で投資できる(金融庁「新しいNISA」)。SBI証券・楽天証券ともにこの枠組みは共通だが、使い勝手の差が出るのは「どうやって枠を埋めるか」の部分だ。
クレカ積立比較|還元率と月額上限が勝負の分かれ目
新NISAのつみたて投資枠を効率よく使うなら、クレジットカード積立(クレカ積立)が最重要ポイントになる。毎月の積立額に対してポイントが還元されるため、実質的なリターンの上乗せになる。
| 比較項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| 対応カード | 三井住友カード(Visa/Mastercard) | 楽天カード |
| クレカ積立上限 | 月10万円 | 月10万円 |
| 基本還元率 | 0.5%(三井住友カード NL) | 0.5%(楽天カード通常) |
| 上位カード還元率 | 1.0%(ゴールドNL)/ 3.0%(プラチナプリファード) | 0.75%(楽天ゴールドカード)/ 1.0%(楽天プレミアムカード) |
| 貯まるポイント | Vポイント | 楽天ポイント |
| 電子マネー積立 | — | 楽天キャッシュ(月5万円まで・還元率0.5%) |
2026年6月時点で、SBI証券は三井住友カード プラチナプリファードで月10万円積み立てると月3,000ポイント(年36,000ポイント)が貯まる。年会費33,000円(税込)を差し引いても年3,000円分のプラスになる計算だ(三井住友カード公式)。
一方、楽天証券は楽天カード+楽天キャッシュの併用で月最大15万円まで積立投資にポイントを付けられるのが強み。クレカ10万円(0.5%還元)+楽天キャッシュ5万円(0.5%還元)で月750ポイント、年間9,000ポイントだ。年会費無料のカードでこの水準はコスパが高い(楽天証券クレカ積立)。
判定: 年会費を払ってでも還元率を最大化したいならSBI証券×プラチナプリファード。コストゼロで手堅くポイントを貯めたいなら楽天証券×楽天カードが有利。
取扱銘柄数・投資信託ラインナップ比較
投資信託の品揃えは、どちらを選んでも困ることはまずない。
| 比較項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| 投資信託取扱本数 | 約2,600本以上 | 約2,500本以上 |
| つみたて投資枠対象 | 約230本 | 約220本 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) | ○ | ○ |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | ○ | ○ |
| SBI独自ファンド | SBI・Vシリーズ(信託報酬 年0.0938%〜) | — |
| 楽天独自ファンド | — | 楽天・オールカントリー(信託報酬 年0.0561%) |
| IPO(新規公開株)取扱 | 業界トップクラス(2025年は約90社) | やや少なめ(2025年は約60社) |
人気のオルカン・S&P500連動ファンドはどちらでも購入可能。違いが出るのは独自の低コストファンドだ。SBI証券の「SBI・Vシリーズ」と楽天証券の「楽天・オールカントリー」はともに業界最安水準の信託報酬で競い合っている(SBIグループ公式、楽天証券公式)。
IPO投資にも興味があるなら、SBI証券の方が取扱実績は多い。落選してもIPOチャレンジポイントが貯まる仕組みがあり、長期的に当選確率を上げられるのはSBI証券ならではの特徴だ。
ポイント投資・ポイント経済圏の使い勝手
日常の買い物で貯まったポイントを投資に回せるのは、ネット証券ならではのメリットだ。ここは「どの経済圏で生活しているか」がそのまま判定基準になる。
| 比較項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| 使えるポイント | Vポイント・Pontaポイント・dポイント・JALマイル・PayPayポイント | 楽天ポイント |
| 投資信託の購入 | ○(1ポイント=1円) | ○(1ポイント=1円) |
| 国内株式の購入 | ○ | ○ |
| 新NISA口座での利用 | ○ | ○ |
| SPU連携 | — | 楽天市場のポイント倍率+0.5倍 |
SBI証券は5種類のポイントに対応しており、複数のポイントを使い分けている人には柔軟性が高い。一方、楽天証券は楽天ポイント一択だが、楽天市場のSPU(スーパーポイントアッププログラム)と連動しているのが大きい。月3万円以上の投資信託購入で楽天市場の買い物ポイントが+0.5倍になる(楽天証券SPU詳細)。
自分の場合、楽天市場でふるさと納税を年20万円ほど利用するので、SPUの+0.5倍だけで年1,000ポイント以上の差が出る。楽天経済圏にどっぷり浸かっている人にとって、この連携効果は無視できない。
アプリUI・操作性の比較
毎月の積立設定や資産状況の確認は、スマホアプリで完結させたい人が大半だろう。
| 比較項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|
| メインアプリ | SBI証券 株アプリ / かんたん積立アプリ | iSPEED(アイスピード) |
| 投信積立の設定 | かんたん積立アプリで完結 | iSPEED内で完結 |
| 資産推移グラフ | My資産で一元管理 | iSPEEDで一覧表示 |
| 操作の直感性 | 機能は豊富だがメニューがやや複雑 | シンプルで初心者にも分かりやすい |
| PC版ツール | HYPER SBI 2(高機能トレードツール) | マーケットスピード II |
編集部で実際に両方のアプリを使い比べた感想として、初心者が迷わず積立設定まで完了できるのは楽天証券のiSPEEDだ。画面遷移が少なく、「つみたてNISAを始める」ボタンから最短3ステップで設定できる。
SBI証券はアプリが「株アプリ」「かんたん積立アプリ」「My資産」と分かれており、慣れるまでどのアプリで何ができるか迷いやすい。ただし、個別株のチャート分析やIPO申込など、投資に慣れてきた後の拡張性はSBI証券の方が高い。
判定: 投資初心者で「まず積立だけ始めたい」なら楽天証券のUI。将来的に個別株やIPOにも手を広げたいならSBI証券の機能の厚さが活きる。
【結論】タイプ別おすすめ|あなたに合うのはどっち?
7つの比較軸を総合すると、選び方は明快だ。
SBI証券が向いている人
- 三井住友カード(特にゴールドNL・プラチナプリファード)を持っている or 作る予定
- Vポイント・Pontaポイント・dポイントなど複数ポイントを使い分けたい
- IPO投資にも挑戦したい
- SBI・Vシリーズなど業界最安水準のファンドに魅力を感じる
- 投資に慣れてきたら個別株や米国株にも本格参入したい
楽天証券が向いている人
- 楽天カードを既に持っていて、楽天経済圏で生活している
- 楽天市場でのふるさと納税や日用品購入が多く、SPU倍率アップの恩恵が大きい
- クレカ+楽天キャッシュで年会費無料のまま月15万円までポイント付き積立をしたい
- アプリはシンプルで分かりやすい方がいい(投資初心者)
- 楽天ポイントが毎月まとまった額貯まるので、ポイント投資に回したい
なお、NISA口座は1人1口座(年単位で金融機関変更は可能)なので、「まず片方で始めて、合わなければ翌年に変更する」という戦略も現実的だ。迷っているうちに夏ボーナスの投資タイミングを逃す方がもったいない。どちらを選んでも大きな失敗にはならないので、まずは口座開設の申し込みから動き出そう。
FAQ
SBI証券と楽天証券、手数料に違いはある?
国内株式の売買手数料は、SBI証券(ゼロ革命)・楽天証券(ゼロコース)ともに条件達成で0円。投資信託の購入時手数料もどちらも原則無料(ノーロード)なので、手数料面での差はほぼない。
NISA口座は途中で証券会社を変更できる?
年単位で変更可能。変更したい年の前年10月1日〜当年9月30日に手続きすれば翌年から切り替わる。ただし、その年に既にNISA枠で買付済みの場合は翌年まで変更できない(金融庁)。
両方の口座を開設しておくことはできる?
総合口座(課税口座)は両方開設できる。NISA口座だけは1人1口座なので、どちらか一方を選ぶ必要がある。まず総合口座を両方開いて使い勝手を試し、NISA口座をどちらに設定するか決める方法もある。
夏ボーナスで一括投資する場合、つみたて投資枠は使える?
つみたて投資枠でもボーナス設定(増額月の設定)が可能。SBI証券・楽天証券ともにボーナス月に増額して年間枠を使い切る設定ができるので、一括投資に近い運用も可能だ。
投資初心者はどちらを選ぶべき?
アプリの使いやすさと楽天ポイントの貯めやすさから、投資が初めてなら楽天証券がやや有利。ただし、三井住友カードを日常使いしているならSBI証券でも問題ない。「自分がメインで使っているクレジットカード」で選ぶのが最もシンプルな基準だ。
参考文献
- 新しいNISA — 金融庁
- SBIグループ公式サイト — SBIホールディングス
- 楽天証券公式サイト — 楽天証券
- 投信積立 クレジットカード決済 — 楽天証券
- 三井住友カード プラチナプリファード — 三井住友カード
- SPU(スーパーポイントアッププログラム) — 楽天証券