メルカリやAmazonで中古品を仕入れて転売する「せどり」を副業で始めたいが、古物商許可が必要なのか分からない——そんな悩みを持つ人は多いです。

結論から言うと、中古品を「利益目的で仕入れて売る」なら古物商許可は必要です。2025年2月のメルカリ事業者認定ガイドライン改定では、過去1年間の出品数200品以上が「事業者」判定の目安とされ、無許可営業のリスクはさらに高まっています。

筆者自身、物販全盛期に月商400万円まで伸ばした経験がありますが、古物商許可を取ったのは開業から半年後でした。正直、もっと早く取っておけばよかったと後悔しています。許可なしで仕入れ販売を続けていた期間は、今思えばかなり危なかったです。

この記事では、古物商許可が必要なケース・不要なケース、警察署への申請手順、必要書類、費用19,000円の内訳、審査期間40日の実態まで、申請完了に必要な情報をすべてまとめました。

古物商許可とは?古物営業法の基本

古物商許可とは、古物営業法(昭和24年法律第108号)に基づき、中古品(古物)の売買・交換を業として行うために必要な許可です。管轄は各都道府県の公安委員会で、申請窓口は営業所を管轄する警察署の生活安全課です。

古物営業法第2条では、古物を「一度使用された物品」「使用されない物品で使用のために取引されたもの」「これらの物品に幾分の手入れをしたもの」と定義しています。つまり、新品未開封でも「中古市場で仕入れた商品」は古物に該当します。

古物は13品目に分類されており、せどりで扱うことが多い「衣類」「道具類(家電・ゲームなど)」「書籍」「時計・宝飾品類」などがこれに含まれます。申請時にはどの品目を扱うか選択する必要があります。

古物商許可が必要なケース・不要なケース

許可が必要なケース

  • 中古品を仕入れて転売する: リサイクルショップ・フリマアプリ・ヤフオクで仕入れてメルカリ・Amazonで販売する典型的なせどり
  • 新品を中古市場から仕入れて転売する: 未開封品でも、個人出品者やフリマアプリから仕入れた場合は「古物」扱い
  • 古物の修理・リメイク販売: 中古家具をリペアして販売する場合など
  • 古物の買取業: 個人から中古品を買い取る業態

許可が不要なケース

  • 自分で使った不用品の処分: 着なくなった服や読み終わった本をメルカリで売る行為は許可不要
  • 小売店・メーカーから新品を仕入れて販売: 正規ルートの新品仕入れは古物営業に該当しない
  • 無償で譲り受けた物を販売: タダでもらった物を売る行為は古物営業法の対象外(ただし反復継続すると古物営業とみなされるリスクあり)
  • 自分で海外から直接輸入した新品: 海外の正規代理店から直輸入した商品は古物に該当しない

メルカリ事業者認定と古物商許可の関係

2025年2月、メルカリは「事業者の届出に関するガイドライン」を改定しました。過去1年間の出品数が200品以上の場合、「事業者」に該当する可能性が高いと判定されます。

事業者と判定された場合、特定商取引法に基づく表記(氏名・住所・電話番号の公開)が求められるだけでなく、中古品を扱っているなら古物商許可も必要です。つまり、メルカリで本格的にせどりをするなら、古物商許可+特商法表記の両方が必要になるということです。

無許可営業のリスクと罰則

古物商許可なしで中古品の売買を業として行った場合、古物営業法第31条により「3年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくはその両方」が科される可能性があります。

「副業レベルだからバレない」と考える人もいますが、2026年6月現在、フリマプラットフォームと警察の連携は強化されています。メルカリの事業者認定制度により、大量出品者の情報は可視化されやすくなっています。

また、古物商許可なしで営業していた場合、後から許可申請しても「過去の無許可営業」を理由に不許可となるリスクがあります。始めるなら、早めに取得しておくのが賢明です。

古物商許可の申請手順|5ステップで完了

申請から許可が下りるまでの流れは以下のとおりです。2026年6月時点の情報に基づいています。

ステップ1: 管轄の警察署を確認する

営業所(自宅で副業する場合は自宅)を管轄する警察署の「生活安全課(防犯係)」が申請窓口です。警察庁の古物商届出先一覧から管轄を確認できます。

事前に電話で「古物商許可の申請をしたい」と伝え、来署日を相談しておくとスムーズです。予約不要の署もありますが、担当者不在のリスクを避けるため事前連絡を推奨します。

ステップ2: 必要書類を準備する

個人申請の場合に必要な書類は以下のとおりです。

  • 古物商許可申請書(別記様式第1号): 警察庁の公式サイトからダウンロード可能。記入例も掲載されています
  • 略歴書: 過去5年間の経歴を記載。転職が多くても空白期間がなければ問題ありません
  • 住民票の写し: 本籍地記載・マイナンバー記載なしのもの。市区町村役場で取得(手数料300円程度)
  • 身分証明書: 運転免許証ではなく、本籍地の市区町村が発行する「身分証明書」(破産者でないこと等を証明する書類)。手数料300円程度
  • 誓約書: 欠格事由に該当しないことの誓約。申請書と一緒にダウンロード可能
  • URLの届出書: メルカリ・Amazon等のネット上で販売する場合に必要。各プラットフォームのストアURLを記載します

注意点として、「住民票の写し」と「身分証明書」は取得先が異なります。住民票は現住所の市区町村、身分証明書は本籍地の市区町村です。本籍地が遠方の場合は郵送請求も可能ですが、届くまで1〜2週間かかることがあるので早めに手配しましょう。

ステップ3: 申請書を書く

申請書(別記様式第1号)の主な記入項目は以下のとおりです。

  • 氏名・住所・生年月日: 住民票と一致させること
  • 行商をしようとする者であるかどうかの別: フリマ仕入れで店舗外を回る場合は「する」にチェック
  • 主として取り扱おうとする古物の区分: 13品目から選択。せどりなら「道具類」「衣類」「書籍」あたりが多い。複数選択可能ですが、メインを1つ選びます
  • 営業所の名称・所在地: 自宅の場合は自宅住所。屋号は任意で設定可能(例: 「〇〇商店」)
  • ホームページ利用の有無: メルカリ・Amazonで販売するなら「利用する」を選択し、URLを記載

記入に迷ったら、管轄の警察署に電話で確認するのが確実です。筆者の経験では、生活安全課の担当者は丁寧に教えてくれることがほとんどでした。

ステップ4: 警察署に申請・手数料を支払う

必要書類を持って管轄の警察署に行き、生活安全課の窓口で申請します。

  • 手数料: 19,000円(都道府県の収入証紙で支払い。現金不可の場合が多い)
  • 収入証紙は警察署内または近隣の販売所で購入可能。事前に警察署に確認しておくと安心です
  • 書類に不備がなければ、受付は30分〜1時間程度で完了します

この19,000円は審査手数料であり、不許可の場合でも返金されません。書類の不備で差し戻しにならないよう、事前に警察署で書き方を確認しておくことをおすすめします。

ステップ5: 審査・許可証の受取

申請後、公安委員会による審査が行われます。

  • 標準処理期間: 約40日(土日祝を除く。実質的には申請から約2ヶ月を見ておく)
  • 審査中に営業所の現地確認(立入調査)が入ることがあります。自宅営業の場合、古物の保管場所を確認される場合があります
  • 許可が下りたら警察署から連絡が来るので、再度来署して古物商許可証を受け取ります
  • 受取時に「古物商プレート」(標識)の掲示義務について説明を受けます。プレートは自作またはAmazonなどで購入可能(1,500〜3,000円程度)

古物商許可の申請費用まとめ

2026年6月時点の費用目安は以下のとおりです。

項目費用(税込)備考
申請手数料19,000円都道府県収入証紙で支払い
住民票の写し約300円市区町村により異なる
身分証明書約300円本籍地の市区町村で取得
古物商プレート1,500〜3,000円許可後に購入・自作も可
合計約21,100〜22,600円

行政書士に代行を依頼する場合、別途30,000〜50,000円の報酬が発生します。書類の記入自体はそこまで難しくないので、副業レベルであれば自分で申請することをおすすめします。

許可取得後にやるべきこと

  • 古物台帳の記帳: 仕入れ・販売の記録を台帳に記載する義務があります(古物営業法第16条)。Excelやスプレッドシートでの管理も認められています
  • 古物商プレートの掲示: 営業所の見やすい場所にプレートを掲示します。ネット販売のみでも自宅に掲示が必要です
  • 本人確認の実施: 1万円以上の古物を買い受ける際は、相手の本人確認が必要です(古物営業法第15条)
  • 不正品の届出: 盗品の疑いがある古物を発見した場合、警察への届出義務があります
  • 変更届: 住所・営業所・取扱品目に変更があった場合、14日以内に届出が必要です

物販時代、在庫管理で痛い目を見た自分としては、古物台帳をしっかりつけておくことで在庫の全体像も把握できるという副次的なメリットがあると感じています。記帳は面倒に思えますが、仕入れと利益の管理にもなるので一石二鳥です。

FAQ

古物商許可は副業でも取れますか?

取れます。会社員が個人で申請するケースは多く、勤務先の許可は法律上不要です。ただし、就業規則で副業が制限されている場合は勤務先の確認を推奨します。申請書に勤務先を記載する欄はありません。

メルカリで不用品を売るだけなら許可は不要ですか?

自分が使った不用品の処分であれば許可は不要です。ただし、「不用品」を装って仕入れた商品を反復継続して販売すると古物営業とみなされる可能性があります。年間200品以上の出品はメルカリの事業者認定基準にも該当するため注意が必要です。

申請から許可が下りるまでの期間は?

標準処理期間は土日祝を除いて約40日です。実際には申請から約2ヶ月程度かかるケースが多いです。書類不備があるとさらに遅れるため、事前に管轄の警察署で記載内容を確認してから提出するのがおすすめです。

古物商許可の更新は必要ですか?

古物商許可に有効期限はなく、一度取得すれば更新不要です。ただし、営業を廃止した場合は「返納届」、住所や取扱品目が変わった場合は「変更届」の提出が必要です。

賃貸マンションでも営業所として申請できますか?

可能ですが、賃貸借契約書に「事業用途不可」とある場合、大家さんの使用承諾書を求められることがあります。自治体や警察署によって対応が異なるため、事前に管轄の警察署に確認してください。

参考文献