「再出品したらアカウントが制限された」「同じ商品を出し直しても全然上に表示されない」——2025年後半からメルカリの出品環境は大きく変わった。
筆者自身、せどり全盛期に月商400万円まで伸ばした経験があるが、当時は再出品を繰り返すだけで検索上位を取れた。今その手法を使えば一発で利用制限がかかる時代だ。
この記事では、メルカリが2025年に実施したアルゴリズム変更と再出品規制の具体的な内容を整理し、規制後でも売上を回復・維持するための5つの対応策を解説する。数字と公式情報をベースに、今日から使える実践手順をまとめた。
2025年のメルカリアルゴリズム変更と再出品規制の全体像
メルカリは2025年、不正出品や過剰な再出品への対策を大幅に強化した。日本経済新聞の報道によると、2025年下半期(7〜12月)に不正アカウントの利用制限は76万2,486件に達し、前年同期比で58%増となった。
さらに、規約違反商品の削除件数は5,654万件(前年比13%増)にのぼる。これはAIによる不正検知システムの本格導入が背景にある。キャンセル頻度や通報数などから全ユーザーをリスク分類し、不正リスクが高いと判断されたアカウントに対して利用制限をかける仕組みだ。
再出品に関しては、メルカリ公式ガイドで「同じ商品の短期連続出品は迷惑行為であり、検索結果から除外されることがある」と明記されている。つまり、従来の「削除→再出品で検索上位に表示させる」テクニックは公式に封じられた。
出品数・操作回数の上限
2025年時点で導入されている主な制限は以下のとおり。
- 出品数の上限: 新規ユーザーは1日8点まで、評価20以上のユーザーでも1日20点まで
- 操作回数の上限: 新規ユーザーは1日60回、評価20以上でも300回まで。出品・編集・再出品・価格変更・削除すべてがカウント対象
- 利用制限の段階: 警告 → 3時間 → 12時間 → 24時間 → 3日間 → 1週間 → 無期限停止と段階的に重くなる
在庫を大量に抱えて回転させていた物販プレイヤーほど、この制限の影響は大きい。筆者も在庫が積み上がって倉庫代だけで月15万円飛んだ過去があるが、今の環境で同じことをやれば倉庫代に加えてアカウント停止のリスクまで乗ってくる。
なぜ再出品テクニックが通用しなくなったのか
結論から言うと、メルカリの検索アルゴリズムが「出品日時の新しさ」から「商品の質・独自性」を重視する方向にシフトしたためだ。
従来のメルカリでは、商品を削除して同じ内容で再出品するだけで「新着」扱いになり、検索結果の上位に表示された。この仕組みを利用して、1日に何度も再出品を繰り返す手法が物販界隈では定番だった。
しかし2025年のアルゴリズム変更では、以下の要素が検索順位に影響するようになった。
- 画像のハッシュ値: 同一画像の使い回しをAIが検知し、コピー出品と判定
- タイトル・説明文の類似度: 同じ文言の繰り返しは検索順位を下げる要因に
- 出品パターンの分析: 短時間での大量出品・削除→再出品のパターンを検出
- アカウントの信頼スコア: 取引評価・通報履歴・キャンセル率を総合判定
要するに、「同じ商品を同じ写真・同じタイトルで出し直す」行為は、もはや上位表示どころか検索結果からの除外(いわゆる圏外飛ばし)の原因になる。
規制後に売上を回復する5つの具体策
ここからは、新しいアルゴリズムに適応して売上を維持・回復するための5つの対応策を解説する。
対策1: 写真の差別化——1商品ごとに撮り直す
同一画像の使い回しがAIに検知される以上、同じ商品を複数出品する場合は必ず写真を撮り直す必要がある。
- 背景を変える: 白背景・木目背景・布背景などバリエーションを用意する
- 角度を変える: 正面・斜め45度・俯瞰など、商品の見え方を変える
- 小物を添える: サイズ感がわかる定規や、使用シーンがイメージできるアイテムを配置
- 自然光を活用: 撮影時間帯を変えるだけで光の当たり方が変わり、別画像として認識されやすくなる
手間はかかるが、逆に言えば写真のクオリティを上げることで「いいね」率も上がり、検索順位の改善にもつながる。一石二鳥の施策だ。
対策2: タイトルの最適化——検索キーワードを分散配置する
同じタイトルの繰り返しは類似出品と判定されるリスクがある。同一商品でもタイトルの切り口を変えることが重要だ。
たとえば同じスニーカーを3足出品する場合:
- 1足目: 「【新品未使用】ナイキ エアマックス90 ホワイト 27cm メンズ」
- 2足目: 「ナイキ Air Max 90 白 US9 定価16,500円 箱付き」
- 3足目: 「NIKE エアマックス 90 ホワイト/グレー 27.0 通勤にも◎」
ポイントは、検索されやすいキーワードを残しつつ、表現や順序を変えること。ブランド名の英語表記・日本語表記の使い分け、サイズ表記の変更(cm / US)、用途の訴求などで自然にバリエーションを出せる。
対策3: 出品タイミングの分散——時間帯と曜日をずらす
短時間での大量出品はアルゴリズムに検知されやすい。出品タイミングを意図的に分散させることが必要だ。
- 最低2〜3時間の間隔を空ける(同一カテゴリの商品は特に注意)
- 売れやすい時間帯に合わせて分散する: 平日は12時〜13時(昼休み)と20時〜23時(夜のリラックスタイム)、休日は10時〜11時
- 曜日もずらす: 月曜と木曜に分けて出品するなど、1日に集中させない
- 操作回数を意識する: 1日の操作回数上限(評価20以上で300回)を超えないよう、出品以外の操作(価格変更・編集)も含めてカウントする
対策4: 商品説明文の個別化——テンプレのコピペを避ける
説明文のコピペもAIの検知対象になっている。同じ商品でも以下の点で説明文を差別化する。
- 購入経緯を変える: 「セレクトショップで購入」「公式オンラインストアで購入」「プレゼントでいただいた」など
- 状態の表現を変える: 「数回着用のみ」「室内試着のみ」「タグ付き未使用」
- おすすめポイントを変える: 1点目はデザインを推す、2点目は機能性を推す、3点目はコスパを推す
- 発送方法や梱包を個別に記載: 「プチプチで丁寧に梱包」「防水袋に入れて発送」など
テンプレートを用意すること自体は効率的だが、そのまま全商品にコピペするのではなく、テンプレートの30%以上を毎回書き換えるくらいの感覚で運用したい。
対策5: メルカリShopsの活用——同一商品の在庫管理を正規ルートで
同じ商品を継続的に複数販売するなら、メルカリShopsの利用を検討すべきだ。
メルカリShopsは個人事業主や法人向けのサービスで、通常のメルカリとは異なり以下のメリットがある。
- 在庫管理機能: 同一商品を在庫数で管理でき、1出品で複数個の販売が可能
- 再出品の必要なし: 在庫を追加するだけで出品が継続される
- 事業者としての正規運用: 2025年10月の規約改定で個人アカウントでの事業的販売がNG明確化されたため、事業規模の出品者はShopsへの移行が実質必須
- 販売手数料は同じ10%: 通常のメルカリと手数料率は変わらない
ただし、メルカリShopsは「ショップ」として認識されるため、個人間取引の値下げ交渉文化とは相性が異なる点は理解しておこう。
2025年10月の規約改定で追加された注意点
2025年10月の基本原則改定では、転売に関するルールがさらに厳格化された。主な変更点は以下のとおり。
- 出品禁止対象の明確化: 需給ひっ迫時の高額転売が「出品禁止」として制度化された
- AIと有識者の二重チェック: 出品商品に対するリアルタイム監視が強化
- 価格・コメントのリアルタイム監視: 異常な価格設定やコメント荒れへの即時対応
- 個人アカウントでの事業的販売のNG明確化: プライバシーポリシー改定により、運営側の監視・取り締まり体制が強化
これらの変更は、Nintendo Switch2の発売時の転売騒動なども背景にある。個人で物販をやる場合でも、取引規模が大きくなったら古物商許可の取得とメルカリShopsへの移行を早めに検討すべきだ。
規制強化後でも売れる出品者の共通点
新しいアルゴリズム環境で売上を維持している出品者には、いくつかの共通点がある。
- 商品の差別化に時間をかけている: 写真・タイトル・説明文を1商品ごとに丁寧に作成
- 出品数よりも成約率を重視: 大量出品ではなく、検索に引っかかりやすい質の高い出品に集中
- 評価スコアを大切にしている: 丁寧な梱包・迅速な発送・適切なコミュニケーションで信頼スコアを維持
- プラットフォームを分散している: メルカリだけに依存せず、ラクマ・Yahoo!フリマ・ヤフオクなど複数のプラットフォームを併用
- 規約の変更を定期的にチェック: メルカリのポリシーページを月1回は確認する習慣がある
数の勝負から質の勝負に切り替えることが、規制後の売上回復の王道だ。
FAQ
再出品は完全に禁止されたのですか?
完全禁止ではない。ただし、同じ商品の「短期間での」削除→再出品は迷惑行為として検索結果から除外される可能性がある。商品が長期間売れ残った場合に写真やタイトルを変えて再出品するのは問題ない。間隔の目安として、最低でも数日〜1週間は空けるのが安全だ。
圏外飛ばし(検索結果から除外)されたらどうすればいい?
まず、問題のある出品を一旦すべて削除し、24〜48時間ほど出品を控える。その後、写真・タイトル・説明文を完全に作り直して出品し直す。同じ内容での再出品は状況を悪化させるだけなので避けること。利用制限通知が来ている場合は、制限解除まで待つ必要がある。
出品数の上限はどうやって確認できますか?
メルカリアプリの「出品する」ボタンから出品画面に進むと、上限に近づいている場合は警告が表示される。メルカリ公式ヘルプでも出品数制限について案内されている。評価数20以上で1日20点、操作回数300回が上限の目安だ。
メルカリShopsに移行すると個人アカウントはどうなりますか?
個人アカウントとメルカリShopsは別サービスとして併用できる。不用品の処分は個人アカウントで、同一商品の継続販売はShopsでと使い分けるのが現実的だ。ただし、個人アカウントで事業的な大量販売を続けると規約違反になるリスクがある。
利用制限を受けた場合、評価やポイントはどうなりますか?
一時的な利用制限であれば、制限解除後に評価・ポイント・売上金はそのまま残る。ただし無期限停止(アカウント凍結)の場合、売上金の振込申請期限が設定されることがあるため、メルカリ公式の不正利用ガイドを確認のうえ、早めに事務局に問い合わせることを推奨する。
参考文献
- メルカリ、25年下半期に不正アカウント76万件制限 AIで監視 — 日本経済新聞, 2026年2月
- メルカリ、「安心・安全の取り組みに関する透明性レポート 2025年下半期版」公開 — マイナビニュース, 2026年2月
- 出品数の制限について — メルカリ公式ヘルプ
- メルカリアカウントの不正利用(禁止されている行為) — メルカリ公式ヘルプ
- 【2025年10月】メルカリの規約変更で転売禁止?変わったルールと対策 — ECセラーラボ, 2025年10月
- メルカリ2025年10月の規約改定を徹底解説! — NETSEA仕入れラボ, 2025年10月