2026年6月の電気代請求書に、過去最高となった再エネ賦課金がまるごと1か月分反映された。さらに政府の電気・ガス補助金も2025年末で完全終了し、家計の電気代負担は月2,000〜3,000円増という現実が目の前にある。

三児の母として毎月の光熱費と格闘している筆者(小林)だが、物販時代に在庫コストで月15万吹っ飛ばした経験があるからこそ言える——固定費の放置は「見えない在庫」と同じだ。電力プランの見直しだけで年間1万円以上取り戻せるケースは珍しくない。

この記事では、再エネ賦課金の仕組みと2026年度の負担額を整理したうえで、電力会社の乗り換え手順・料金プラン比較・今日からできる節電設定を、具体的な削減額シミュレーション付きで解説する。

再エネ賦課金とは?2026年度4.18円/kWhの意味

再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、太陽光・風力などの再エネ電力を固定価格で買い取るFIT制度の費用を、電気を使うすべての人で負担する仕組みだ。電気の使用量(kWh)に応じて自動的に上乗せされるため、使えば使うほど金額が増える。

経済産業省は2026年度の単価を4.18円/kWhと決定した(2026年3月発表、適用期間: 2026年5月検針分〜2027年4月検針分)。前年度の3.49円/kWhから約20%の引き上げで、制度開始以来の最高額となった。

世帯ごとの月額負担シミュレーション

環境省の家庭のエネルギー消費統計を参考に、世帯タイプ別の負担額を試算した(2026年6月時点)。

世帯タイプ月間使用量(目安)再エネ賦課金/月前年度比
一人暮らし200 kWh836円+138円
夫婦2人300 kWh1,254円+207円
ファミリー(4人)400 kWh1,672円+276円
大家族・オール電化600 kWh2,508円+414円

つまり、4人家族で年間約3,300円、オール電化世帯なら年間約5,000円の負担増だ。ここに補助金終了分が上乗せされる。

電気・ガス補助金の終了でトータルいくら増えた?

政府は2023年1月から「電気・ガス価格激変緩和対策事業」として電気代に1kWhあたり最大3.5円(後に段階的縮小)の補助金を交付してきたが、2025年12月使用分をもって完全終了した。

補助金終了と再エネ賦課金引き上げを合算すると、標準的な4人家族(月400kWh)の場合:

  • 再エネ賦課金の増加: 月+276円(年+3,312円)
  • 補助金終了による実質増: 月+1,400〜2,800円程度(補助水準による)
  • 合計: 月2,000〜3,000円、年間2.4万〜3.6万円の負担増

「なんか電気代高くなったな」と感じている人、その体感は正しい。放置すれば年間で3万円以上余計に払い続けることになる。

電力会社の乗り換え手順|5ステップで完了

結論から言うと、電力会社の乗り換えは工事不要・違約金なし(多くのプラン)・Webで15分で完了する。うちも2024年に東京電力から新電力に切り替えたが、手続きは本当にあっけなかった。

ステップ1: 現在の電気代を確認する

直近12か月の検針票または電力会社のマイページから、月間使用量(kWh)契約アンペア数を確認する。比較サイトで見積もりを取るのに必要だ。

ステップ2: 比較サイトで料金シミュレーション

以下の比較サイトに使用量を入力すると、乗り換え後の年間料金が試算できる。

ステップ3: 新しい電力会社に申し込む

比較結果で安くなるプランが見つかったら、新しい電力会社のサイトから申し込む。必要なのは検針票に記載の供給地点特定番号お客様番号だけだ。

ステップ4: 旧電力会社の解約は不要

新しい電力会社が旧契約の解約手続きを代行してくれる。自分で解約連絡をする必要はない。スマートメーター設置済みなら工事の立ち会いも不要だ。

ステップ5: 切り替え完了(2〜4週間)

申し込みから2〜4週間で切り替えが完了する。電気の供給が途切れることはない。

料金プラン比較|年間削減額シミュレーション

2026年6月時点で、主要な新電力プランと東京電力(従量電灯B)を比較した。4人家族・月400kWh・40A契約を想定(税込、再エネ賦課金・燃料費調整額込み)。

電力会社・プラン月額目安東電との年間差額特徴
東京電力(従量電灯B)約14,500円基準プラン
オクトパスエナジー約13,300円約−14,400円実質再エネ100%、アプリで使用量可視化
Looopでんき約13,500円約−12,000円基本料金0円、30分ごと市場連動型
東京ガスの電気約13,800円約−8,400円ガスとセット割あり、大手の安心感
auでんき約14,100円約−4,800円Pontaポイント還元、au/UQ利用者向け

上記はあくまで目安であり、燃料費調整額の変動や使用量によって差は変わる。重要なのは、乗り換えるだけで年間5,000〜14,000円の差が出る可能性があるということだ。まずは比較サイトで自分の使用量を入れてシミュレーションしてほしい。

なお、市場連動型プラン(Looopでんきなど)は電力市場の価格変動リスクがある。電気代の安定を重視するなら固定単価型を、とにかく安さを追求するなら市場連動型を選ぶとよい。

今日からできる節電設定3つ

電力会社の切り替えには2〜4週間かかる。その間にできる節電設定を3つ紹介する。

1. エアコンの設定温度を1℃調整する

資源エネルギー庁によると、冷房の設定温度を1℃上げるだけで消費電力を約13%削減できる。28℃設定を目安にし、サーキュレーターを併用すると体感温度が下がる。

2. 待機電力をカットする

家庭の消費電力の約5〜10%は待機電力だ。使わない家電のコンセントを抜く、またはスイッチ付き電源タップを使うだけで、月300〜500円の節約になる。テレビ・レコーダー・PC周辺機器が主な対象だ。

3. 電気料金プランの「時間帯割引」を活用する

オール電化向けプランや一部の新電力では、夜間(23時〜7時など)の電気代が割安になる。洗濯機・食洗機・炊飯器のタイマーを夜間にセットするだけで、月500〜1,000円の差が出ることもある。

FAQ

再エネ賦課金は自分で減らせる?

再エネ賦課金の単価(4.18円/kWh)は全国一律で変更できない。ただし使用量に比例するため、節電で使用量を減らせば賦課金の総額も下がる。月50kWh削減できれば月209円、年間約2,500円の節約になる。

新電力に切り替えると停電リスクは増える?

増えない。送配電網は大手電力会社(東京電力パワーグリッド等)が管理しており、どの電力会社と契約しても送電の品質は同じだ。万が一新電力が倒産しても、大手電力の最終保障供給に自動移行する。

賃貸でも電力会社は変えられる?

自分名義で電力契約をしていれば変更可能だ。ただし、マンション一括受電(高圧一括受電)を採用している物件では個別に切り替えできない場合がある。管理会社や検針票で確認しよう。

乗り換え時に違約金はかかる?

大手電力の従量電灯プランには違約金はない。新電力でも多くのプランは解約金無料だが、一部のキャンペーンプランや法人契約では違約金が設定されている場合がある。申し込み前に約款を確認しよう。

再エネ賦課金は今後も上がり続ける?

FIT買取期間(10〜20年)が満了する設備が増えるにつれ、2030年代以降は低下に転じるとの見方が多い。ただし短期的には太陽光・洋上風力の新規認定が続いており、2027〜2028年度も高止まりする可能性がある。

参考文献