「AI画像でストックフォト副業」は2024年ごろから話題になっていたが、解像度不足・生成コスト・各社のAI画像ポリシーがネックで、実際に稼げている人は少なかった。2026年4月にリリースされたMidjourney v8.1は、HDモードの生成速度が従来の約3倍、コストは1/3、ネイティブ2K(2048×2048px)出力に対応し、ストックフォト副業のハードルを大きく下げた。
筆者(原田)は画像生成AIを実務案件で使い続けてきたが、v8.1のリリース後に本格的にストックフォト投稿を始め、2ヶ月目で月間売上が約12,000円に到達した。まだ月3万円には届いていないが、投稿枚数と承認率のデータから「月300枚ペースで3万円ライン」が現実的に見えてきた。この記事では、その実数字と手順を包み隠さず共有する。
Midjourney v8.1のストックフォト向けアップデート内容
2026年4月時点のv8.1で、ストックフォト用途に関係する主な変更点は以下の通りだ。
- ネイティブ2K出力: デフォルト解像度が2048×2048pxに。従来の1024px→アップスケールの2段階が不要になった
- HDモード3倍速: 従来60秒前後かかっていたHD生成が約20秒に短縮(公式ドキュメントによる)
- GPU時間コスト1/3: Standard Plan(月額30ドル・税込約4,650円、2026年4月時点)で月あたりの生成可能枚数が実質3倍に
- --style rawの改良: 写実的な表現の精度が向上し、ストック素材向けの「使いやすい」画像が作りやすくなった
つまり、v8.1によって「1枚あたりのコストと時間」が大幅に下がったことで、月300枚以上の量産体制が個人でも組めるようになった。
ストックフォト各社のAI画像ポリシー(2026年5月時点)
AI生成画像の受け入れポリシーは各社で異なり、頻繁に更新される。必ず最新の規約を確認してほしい。
Shutterstock
Shutterstockは2023年からAI生成画像の投稿を受け付けている。2026年5月時点では、AI生成であることのメタデータ申告が必須。コントリビューター登録後、ダッシュボードから「AI Generated」タグを付けてアップロードする。審査は通常2〜5営業日。報酬は画像サイズ・ライセンス種別により1DL あたり/bin/bash.10〜/bin/bash.40程度(税引前)。
Adobe Stock
Adobe Stockは2023年9月からAI生成コンテンツの投稿ガイドラインを公開している。投稿時に「Generated by AI」のチェックが必要で、商標・著名人の肖像が含まれる画像は不可。報酬は1DLあたり/bin/bash.33〜/bin/bash.66程度(画像サイズ・プラン依存、税引前)。Adobeの審査は比較的厳しく、筆者の体感では承認率は60〜70%だった。
PIXTA
PIXTAは日本最大級のストックフォトサービスで、2024年からAI生成画像の投稿を条件付きで受け付けている。AI生成であることの申告が必須で、人物が写実的に描かれた画像は原則不可。単品販売の場合、クリエイターランクに応じて1DLあたり22〜65円程度(税込)。国内需要が強く、日本のビジネスシーンや和風素材は海外サービスより売れやすい傾向がある。
注意: 各社のポリシーは随時変更される。投稿前に必ず最新のコントリビューターガイドラインを確認すること。
Midjourney v8.1でストック素材を量産する具体的な手順
結論から言うと、ストックフォトで売れる画像には「使いやすさ」が最重要だ。芸術的に美しい画像よりも、ブログのアイキャッチやプレゼン資料に貼りやすい汎用的な画像が求められる。
Step 1: 売れ筋ジャンルをリサーチする
各ストックフォトサイトの検索ランキングやトレンドページを確認する。2026年5月時点で需要が高いジャンルの例:
- リモートワーク・オンライン会議のイメージ
- サステナビリティ・環境関連のビジュアル
- テクノロジー・AI・デジタルトランスフォーメーション
- 多様性・インクルージョンを表現するビジネスシーン
- 日本の季節イベント・行事(PIXTA向け)
Step 2: プロンプト設計と生成
Midjourneyのプロンプトには以下を意識する:
--style rawを付与して過剰な装飾を抑える--ar 16:9または--ar 3:2で汎用的なアスペクト比にする- テキスト要素を含まない(ストック素材として使いにくくなる)
- 特定のブランドロゴ・商標・著名人の特徴を含まない
- 背景はシンプルに。コピースペース(文字を載せる余白)を意識する
プロンプト例: A modern home office setup with laptop and coffee cup, natural lighting, minimalist style, copy space on the right --style raw --ar 16:9 --v 6.1
筆者の場合、1セッション(約2時間)で40〜60枚を生成し、そこから品質の高い20〜30枚を選別してアップロードしている。v8.1ではHD生成が約20秒なので、1時間で約180枚の生成が理論上可能だが、プロンプト調整やセレクトの時間を考えると「1時間あたり採用15枚」が現実的なペースだ。
Step 3: 後処理とメタデータ設定
- 不要なアーティファクト(指の破綻・テキストの残骸)がないか目視チェック
- 必要に応じてPhotoshopやGIMPで微修正
- JPEG書き出し(品質90%以上、カラープロファイルsRGB)
- タイトル・説明文・キーワードを英語で入力(海外サービスの場合)
- PIXTAは日本語のタイトル・キーワードも設定可能
月3万円ロードマップ — 実数字で試算する
「AIで月100万」みたいな話は正直どうかと思っている。ここでは筆者の実績データをもとに、堅い試算をする。
前提条件
- Midjourney Standard Plan: 月額30ドル(約4,650円、2026年4月時点)
- 投稿先: Shutterstock + Adobe Stock + PIXTAの3サイト併用
- 1枚あたり平均報酬: 約100円(3サイト平均、税引前)
- 投稿の承認率: 約65%(筆者2ヶ月間の実績)
試算
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 月間生成枚数 | 約460枚(1日15枚×31日) |
| 選別後の投稿枚数 | 約300枚(採用率65%) |
| 各サイトの承認枚数 | 約195枚(承認率65%) |
| 3サイト合計承認枚数 | 約585枚(195枚×3サイト) |
| 月間DL数(承認済み1枚あたり月0.5DLと仮定) | 約293DL |
| 月間売上(税引前) | 約29,300円 |
| Midjourney利用料差引後 | 約24,650円 |
正直、月3万円の売上を安定的に出すには、承認済み画像のストック数が500〜600枚は必要だ。ストックフォトは「蓄積型」のビジネスで、一度承認された画像はその後も継続的にDLされる。筆者のデータでは、投稿開始2ヶ月目の時点で承認済み187枚、月間DL数は約120回、売上は約12,000円だった。
要するに、最初の3〜4ヶ月はストックを貯める期間と割り切る必要がある。月3万円の安定ラインに乗るのは、早くて投稿開始から5〜6ヶ月後というのが筆者の見立てだ。
注意点とリスク — 始める前に知っておくべきこと
- 著作権の問題: AI生成画像の著作権は国・地域によって法的な扱いが異なる。日本では2026年時点で明確な判例が少ない。各ストックフォトサービスの利用規約を必ず確認すること
- ポリシー変更リスク: 各社がAI画像の受け入れを停止・制限する可能性はゼロではない。1社に依存せず複数サービスに分散投稿するのが鉄則だ
- 収益の変動: ストックフォトの単価は需給で変動する。AI画像の投稿者が増えれば、1DLあたりの報酬が下がる可能性がある
- 確定申告: 副業の年間所得(売上−経費)が20万円を超える場合、確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告は必要なので注意(国税庁 No.1900)
- Midjourneyの商用利用条件: Midjourneyは有料プラン加入者に商用利用を許可しているが、詳細は利用規約を確認すること
FAQ
Midjourney無料プランでもストックフォト投稿できる?
無料プランで生成した画像は商用利用が認められていない。ストックフォト投稿にはBasic Plan(月額10ドル)以上の有料プランが必要だ。量産するならStandard Plan(月額30ドル)が現実的。
AI生成画像だとバレて売れなくなることはある?
各サービスでAI生成であることの申告が義務化されており、購入者も承知のうえでDLする。重要なのは「使いやすい画像かどうか」であり、AI生成かどうかは購入判断にあまり影響しないというのが2026年時点の傾向だ。
DALL-E 3やStable Diffusionでも同じことができる?
技術的には可能だが、ツールごとに商用利用の条件が異なる。DALL-E 3はOpenAIの利用規約で商用利用可だが、Stable Diffusionはモデルのライセンスによる。Midjourneyは有料プランで商用利用が明示的に許可されている点で始めやすい。
月300枚の投稿にどのくらい時間がかかる?
筆者の場合、1日あたり約1.5〜2時間の作業で1日15枚ペースを維持している。生成自体は速いが、プロンプト調整・選別・メタデータ入力に時間がかかる。月間の作業時間は約45〜60時間だ。
確定申告はいくらから必要?
給与所得がある人は、副業の年間所得(売上−経費)が20万円を超えると確定申告が必要。20万円以下でも住民税の申告は別途必要。経費にはMidjourneyの月額料金、PC・周辺機器の減価償却費などが算入できる。
参考文献
- Midjourney Documentation — Midjourney公式ドキュメント
- Shutterstock Contributor Guidelines — Shutterstock コントリビューターガイドライン
- Adobe Stock — Generative AI content guidelines — Adobe Stock AI生成コンテンツガイドライン
- PIXTA クリエイターガイド — PIXTA 投稿・販売ガイド
- 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人 — 副業所得の確定申告基準