2025年10月1日、ふるさと納税のポータルサイト経由でのポイント付与が全面禁止された。楽天ふるさと納税の楽天ポイント、ふるなびのふるなびコインなど、寄付額に対して数%〜最大30%還元されていた仕組みが使えなくなった形だ。

筆者自身、物販時代に仕入れ資金の節約としてふるさと納税のポイント還元をフル活用していた。ポイント禁止と聞いたときは正直がっかりしたが、調べてみるとまだ還元を積み上げる方法は残っている。

結論から言うと、2026年7月現在でもクレジットカード決済ポイント・電子マネーチャージの増量キャンペーン・自治体独自の特典を組み合わせれば、実質還元率を上乗せできる。この記事では、ポイント禁止後に使える具体的な手段と、2026年10月に控える地場産品基準の厳格化に向けた戦略を解説する。

そもそも何が禁止されたのか?ポイント禁止の正確な範囲

2024年6月、総務省は「ふるさと納税の指定基準の見直し」として、仲介サイト(ポータルサイト)がふるさと納税の寄付に対してポイント等の付与を行うことを禁止する方針を発表した。これは総務省の告示改正に基づくもので、2025年10月1日から施行されている。

禁止されたのは「ポータルサイト独自のポイント付与」だ。具体的には以下が対象となる。

  • 楽天ふるさと納税での楽天ポイント付与(寄付額に対するポイント)
  • ふるなびの「ふるなびコイン」付与
  • さとふるの「さとふるマイポイント」付与
  • その他ポータルサイト独自のポイント・コイン・マイル等

一方で、禁止されていないものもある。

  • クレジットカード決済による通常のカードポイント(寄付の決済手段としてのポイント付与)
  • 電子マネーやQRコード決済のチャージ時のポイント
  • 自治体が独自に提供する特典・優待

つまり「ポータルサイトを経由して寄付すること自体のポイント」は消えたが、「決済手段に紐づくポイント」は従来通り獲得できる。この違いが、2026年以降の還元最大化のカギになる。

クレジットカード決済ポイントで実質還元率を確保する方法

ポイント禁止後、最も確実に還元を得られるのがクレジットカードの決済ポイントだ。ふるさと納税の寄付金はカード決済が可能で、通常のショッピングと同じポイント還元率が適用される。

高還元率カードの選定

2026年7月時点で、ふるさと納税の決済に使える主なカードと還元率は以下の通り(各カード公式サイトの情報に基づく)。

  • 楽天カード: 基本還元率1.0%。楽天ふるさと納税ではポータルポイントは禁止だが、カード決済ポイントは付与される
  • 三井住友カード(NL)ゴールド: 基本還元率0.5%。年間100万円利用で10,000ポイントのボーナスあり(実質最大1.5%)
  • JCB CARD W: 基本還元率1.0%(Oki Dokiポイント)
  • PayPayカード: 基本還元率1.0%
  • リクルートカード: 基本還元率1.2%

たとえば年間の寄付上限が10万円の場合、還元率1.2%のカードで決済すれば1,200円分のポイントを獲得できる。ポータルポイントが健在だった時代の10〜20%還元には遠く及ばないが、「何もしないよりは確実に得」という計算だ。

ゴールドカードの年間利用額ボーナスを活用する

三井住友カード ゴールド(NL)のように、年間利用額に応じたボーナスポイントがあるカードでは、ふるさと納税の寄付額も利用額に算入される。年間100万円の利用達成を目指している場合、ふるさと納税の寄付を集中させることで達成を早められる。

電子マネー・QRコード決済のチャージ増量キャンペーンを狙う

ポータルサイトのポイント付与は禁止されたが、決済手段側のキャンペーンは規制の対象外だ。電子マネーやQRコード決済では、チャージ時にポイントが増量されるキャンペーンが不定期に実施されている。

主なキャンペーン例(過去実績ベース)

  • PayPay: ふるさと納税対応の「さとふる」等でPayPay決済が可能。PayPayステップの条件達成で還元率アップ
  • au PAY: au PAYふるさと納税での決済に対応。Pontaポイント還元あり
  • d払い: ふるさと納税サイトでのd払い対応が拡大中。dポイント還元

注意点として、キャンペーンの内容や還元率は時期によって変動するため、寄付前に必ず最新情報を確認すること。また、チャージ型のポイント増量は「ポータルサイトが寄付に対して付与するポイント」ではなく「決済手段のチャージに対する還元」であるため、現行の規制対象には含まれていない。

筆者の場合、三児分のふるさと納税を夫婦で毎年行っているが、決済タイミングをキャンペーン時期に合わせるだけで年間2,000〜3,000円分の追加ポイントを拾えた年もある。手間はかかるが、固定費削減と同じく「知っているかどうか」で差がつく部分だ。

自治体独自の特典・優待を見逃さない

ポータルサイトのポイント禁止は「仲介サイト」に対する規制であり、自治体が独自に提供する特典や追加の返礼品は規制の対象外だ。一部の自治体では、リピーター向けの優待や、特定時期の増量キャンペーンを実施している。

自治体独自特典の具体例

  • リピーター特典: 前年度も寄付した人に対して追加の返礼品を提供する自治体がある
  • 季節限定の増量: 農産物の収穫期に合わせて返礼品の内容量を増やすケース
  • 定期便の優遇: 複数回に分けて届く定期便コースで、通常より多い内容量を設定している自治体
  • 自治体公式サイトでの直接寄付特典: ポータルサイトを経由せず、自治体の公式サイトから直接寄付した場合に追加特典がつくケース

自治体独自の特典は、ポータルサイトの検索では見つけにくい場合がある。気になる自治体があれば、公式サイトを直接確認するのが確実だ。

2026年10月の地場産品基準厳格化に備える

ポイント禁止に続いて、2026年10月にはふるさと納税の返礼品に関する地場産品基準の厳格化が予定されている。総務省のふるさと納税ポータルサイトで最新の基準を確認できる。

主な変更点

  • 熟成肉・精米の基準見直し: 他の都道府県産の原材料を使った熟成肉や精米について、地場産品としての基準が厳しくなる。これにより、一部の人気返礼品が姿を消す可能性がある
  • 加工品の原材料要件: 地場産品として認められるために必要な地元産原材料の割合が見直される見込み
  • 経費率の上限(5割ルール)の厳格運用: 返礼品の調達費に加えて送料や事務費を含む総経費を寄付額の5割以下に収める基準の運用が、すでに厳しくなっている

厳格化前に動くべき戦略

現時点で手に入る返礼品のうち、基準厳格化後に対象外となる可能性があるものは、2026年9月末までに寄付を済ませるのが合理的だ。具体的には以下のカテゴリに注目したい。

  • 他県産の原料を使った熟成肉(とくに黒毛和牛の熟成系)
  • 他県産米を地元で精米した精米
  • 地元以外の原材料を多く使う加工食品

ただし、基準の最終確定は総務省の告示を待つ必要があるため、「確実に消える」と断言はできない。あくまで「リスクヘッジとして早めに動く」という判断だ。

ポイント禁止後のふるさと納税、結局どう動くべきか

ここまでの内容を整理すると、2026年にふるさと納税の実質還元を最大化するための手順は以下の通りだ。

  1. 控除上限額を正確に把握する: 源泉徴収票や確定申告書をもとに、総務省のシミュレーションで上限額を計算する
  2. 高還元率のクレジットカードを決済手段に設定する: 還元率1.0%以上のカードを推奨。年間利用額ボーナスがあるカードなら、ふるさと納税の寄付を利用額に算入する
  3. 電子マネー・QRコード決済のキャンペーンを確認する: 寄付時期をキャンペーンに合わせて追加還元を獲得する
  4. 自治体の公式サイトで独自特典を確認する: ポータルサイトでは見つけにくい特典を直接チェックする
  5. 地場産品基準の厳格化(2026年10月予定)前に、対象リスクのある返礼品への寄付を完了する

ポイント禁止によって「ポータルサイト比較で最もポイントが多いサイトを選ぶ」という従来の最適化戦略は使えなくなった。その分、返礼品そのものの内容と、決済手段のポイント還元に集中するシンプルな比較に変わったとも言える。

FAQ

ふるさと納税のポイント禁止はいつから始まった?

2025年10月1日から施行されている。総務省が2024年6月に方針を発表し、改正告示に基づいてポータルサイト経由でのポイント付与が全面禁止となった。

クレジットカードのポイントも禁止されたの?

クレジットカード決済による通常のポイント付与は禁止の対象外だ。禁止されたのは「ポータルサイトが寄付に対して独自に付与するポイント」であり、決済手段に紐づくカードポイントは従来通り獲得できる。

ワンストップ特例制度はまだ使える?

ワンストップ特例制度は引き続き利用可能だ。確定申告不要で寄付金控除を受けられる仕組み自体はポイント禁止とは無関係。寄付先が5自治体以内であれば利用できる。

2026年10月の地場産品基準厳格化で何が変わる?

熟成肉や精米など、他県産原材料を使った返礼品の基準が厳しくなる予定だ。対象の返礼品が縮小する可能性があるため、気になる品があれば2026年9月末までの寄付を検討するとよい。

ポイント禁止後、どのポータルサイトを使うべき?

ポイント還元の差がなくなったため、返礼品の品揃え・サイトの使いやすさ・決済手段の対応状況で比較するのが合理的だ。利用する決済手段(クレカ・QRコード決済等)との相性で選ぶとよい。

参考文献