6月のボーナス支給日が近づくと「何に使おうか」とワクワクする。だが、その前にやるべきことがある。毎月の固定費を見直して、ボーナスを丸ごと貯蓄・投資に回せる家計に変えることだ。

筆者自身、物販時代は月商400万を超えていたのに、固定費が膨らんで手元にほとんど残らなかった苦い経験がある。在庫の倉庫代だけで月15万、使っていないサブスクが月8,000円。売上があっても支出の穴を塞がなければ意味がないと痛感した。

この記事では、通信費・保険・サブスク・電力会社・クレカ年会費の5項目を一気に見直す手順を解説する。総務省の家計調査(2025年)によると、二人以上世帯の通信費は月平均約13,000円、保険料は月平均約30,000円と報告されている(総務省 家計調査)。これらを最適化するだけで、年間10〜12万円の削減は十分に現実的だ。

ステップ1:通信費を月3,000円以下に落とす

固定費削減で最もインパクトが大きいのが通信費だ。大手キャリアで月7,000〜10,000円払っている人は、格安SIMへの乗り換えだけで月4,000〜7,000円、年間5〜8万円の削減になる。

2026年5月時点の主要格安SIMの料金を整理する。

  • 楽天モバイル:データ無制限で月3,278円(税込)。3GBまでなら1,078円
  • IIJmio:5GBプランで月990円(税込)。通話はほぼLINEという人に向く
  • povo2.0:基本料0円、必要なときだけトッピング。月3GB(30日間)で990円

乗り換えの手順は3ステップで完了する。(1) 現在の契約プランと違約金を総務省 携帯電話ポータルサイトで確認、(2) MNPワンストップで転入申込、(3) SIM到着後に開通手続き。2026年5月時点、大手キャリアの違約金は原則0円だ。

結論から言うと、家族4人で大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば、月2万円→月4,000円も可能。年間で約19万円の差が出る。

ステップ2:保険を「本当に必要な保障」だけに絞る

生命保険文化センターの調査(2024年度)によると、世帯あたりの年間保険料は平均約37万円だ(生命保険文化センター 生活保障に関する調査)。月にすると約3万円。ここにメスを入れる。

見直しのポイントは3つだ。

  1. 公的保障でカバーされている部分を確認する:高額療養費制度(年収約370〜770万円なら自己負担上限は月約8万円)、傷病手当金(給与の約2/3を最長1年6ヶ月)。これらを考慮すると、手厚い医療保険は不要なケースが多い
  2. 貯蓄型保険を見直す:終身保険や養老保険の利回りは年0.5〜1%程度。新NISAで年利3〜5%のインデックス運用に回すほうが合理的
  3. 掛け捨ての死亡保険だけ残す:子どもが小さい世帯なら、収入保障保険で月額10〜15万円を確保。保険料は月2,000〜3,000円が目安

自分の場合、三人の子どもがいるので死亡保険は外せない。だが医療保険は高額療養費制度と貯蓄で対応できると判断して解約した。それだけで月8,000円、年間約10万円の削減になった。

保険の見直しは保険の窓口ライフネット生命のシミュレーターで無料試算できる。5月中に面談予約を入れれば、6月のボーナス前に整理が付く。

ステップ3:サブスクを棚卸しして不要なものを即解約

MMD研究所の調査(2024年12月)では、サブスクリプションサービスの平均利用数は1人あたり3.2個、月額合計は平均約3,500円と報告されている。問題は「契約していること自体を忘れている」サービスがあることだ。

棚卸しの手順はシンプルだ。

  1. クレジットカードの明細を3ヶ月分チェック:毎月同じ金額が引き落とされているものをリストアップする
  2. Apple / Google のサブスク管理画面を確認iPhoneの場合は「設定」→「Apple ID」→「サブスクリプション」。Androidの場合は「Google Play」→「お支払いと定期購入」
  3. 「過去30日間で使ったか?」を基準に判断:使っていなければ解約。迷ったら解約して、本当に必要なら再契約すればいい

よくある「放置サブスク」の例と月額を挙げる。

  • 動画配信サービス(2つ以上契約):月1,000〜2,000円のムダ
  • クラウドストレージ(無料枠で足りているのに有料):月250〜1,300円
  • フィットネスアプリ(最初の1週間で飽きた):月500〜1,500円
  • ニュースアプリのプレミアムプラン:月300〜500円

2〜3個解約するだけで月2,000〜3,000円、年間2.4〜3.6万円の効果がある。

ステップ4:電力会社を比較して乗り換える

電力自由化から10年が経過したが、エネチェンジの調査によると、いまだに約4割の世帯が大手電力の従量電灯プランのままだ。

2026年5月時点で注意すべきポイントがある。2023年以降の燃料費高騰で新電力の価格優位性は縮小したが、それでも月500〜1,500円の差が出るケースは多い。特に以下の条件に当てはまる世帯は乗り換えの効果が大きい。

  • 月の電気代が8,000円以上
  • オール電化ではない
  • ガスとのセット割が使える地域

比較にはエネチェンジ価格.com 電気料金比較を使うと便利だ。郵便番号と直近の使用量を入力するだけで、年間の節約額が試算される。

なお、2026年4月以降の再エネ賦課金の改定で電気料金全体が上がっている(資源エネルギー庁 再エネ賦課金)。乗り換えだけでなく、使用量自体を減らす省エネ対策も併せて検討しよう。年間で6,000〜18,000円の削減を見込める。

ステップ5:クレジットカードの年会費と付帯サービスを精査する

最後に見落としがちなのがクレジットカードの年会費だ。年会費無料のカードが主流だが、「初年度無料」で契約して2年目以降の年会費を払い続けているケースがある。

チェックポイントは2つ。

  1. 年会費に見合うリターンがあるか:年会費11,000円(税込)のゴールドカードなら、空港ラウンジや保険の付帯が年間11,000円以上の価値があるか。年1〜2回の国内出張程度なら、年会費無料カードで十分だ
  2. ポイント還元率を比較する:年会費無料でも還元率1.0〜1.2%のカードは複数ある。年間100万円の決済で還元差は年5,000〜10,000円になる

具体的に整理すると、以下のような見直しが考えられる。

  • 年会費有料カード(年5,500〜11,000円)→ 年会費無料の高還元カードに集約:年5,500〜11,000円の削減
  • 使っていないサブカードの解約:年会費の節約に加え、不正利用リスクも低減
  • メインカードのポイント還元の最適化:決済を1枚に集約するだけで還元効率が上がる

5ステップの合計削減額シミュレーション

ここまでの5ステップを実行した場合の年間削減額をまとめる。

  • 通信費:格安SIM乗り換えで年4.8〜8.4万円
  • 保険:不要な医療保険解約で年3〜10万円
  • サブスク:2〜3個解約で年2.4〜3.6万円
  • 電力会社:乗り換え+省エネで年0.6〜1.8万円
  • クレカ年会費:集約・解約で年0.5〜1.1万円

合計すると年間11.3〜24.9万円。中央値で約12万円の削減だ。ボーナスを全額投資に回せれば、新NISAの年間投資枠360万円のうちかなりの部分を埋められる。

要するに、ボーナスの「使い道」を考える前に「漏れ」を止めるのが先だ。5月中にこの5ステップを片付ければ、6月のボーナス支給日には「全額貯蓄・投資」が現実になる。

FAQ

格安SIMに乗り換えると通信品質は落ちますか?

大手キャリアの回線を借りているため、エリアは同等です。ただし昼12時台や夕方は混雑で速度が落ちることがあります。楽天モバイルは自社回線のため混雑の影響を受けにくい傾向です。

保険を解約するタイミングはいつがベストですか?

新しい保障(掛け捨て保険など)の契約が成立してから解約するのが鉄則です。無保険期間を作らないようにしましょう。貯蓄型保険は解約返戻金の推移を確認し、損失が少ないタイミングを選びます。

電力会社の乗り換えに工事や立ち会いは必要ですか?

スマートメーターが設置済みであれば工事は不要です。Web申込だけで完了し、切り替えまで2〜3週間かかります。未設置の場合も原則無料で交換されます(立ち会い不要のケースが大半)。

固定費の見直しはどのくらいの頻度でやるべきですか?

年に1回、ボーナス時期(6月・12月)の前に見直すのが効率的です。料金プランや新サービスは毎年変わるため、一度見直して終わりではなく定期的にチェックしましょう。

参考文献