2026年1月に電気・ガス補助金が完全終了し、光熱費の高止まりが続いている。総務省の家計調査によると、2人以上世帯の2026年1〜3月の電気代平均は月1万4,800円前後。2024年同期比で約12%高い水準だ。
筆者は三児の母で、物販時代に在庫管理で月15万飛ばした経験から「固定費は数字で比較してから動く」が鉄則になっている。電気代も同じで、SNSの「年1万円安くなる」を鵜呑みにせず、実際の料金表から計算した結果をまとめた。
結論から言うと、東京電力の従量電灯Bから解約金ゼロの新電力に乗り換えるだけで、3人世帯(月400kWh)なら年8,000〜12,000円の削減は現実的だ。本記事では2026年5月時点のキャンペーン情報と、世帯人数別の比較を整理する。
電気ガス補助金の終了と2026年の電気代事情
政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」は2024年5月に一度終了し、同年8〜10月に再開されたが、2025年1月使用分をもって完全終了した。これにより1kWhあたり3.5円(低圧)の補助がなくなり、標準的な家庭(月300kWh)で月1,050円、年間12,600円の負担増となった。
さらに2026年4月から再エネ賦課金が1kWhあたり3.49円に改定された(2025年度は3.49円で据え置き)。燃料費調整額も原油高の影響で高止まりしており、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bで月400kWh使う家庭の月額は約1万5,200円(2026年4月請求分、筆者実績)になっている。
つまり、「何もしなければ高いまま」の状態が続く。ここで新電力への乗り換えが選択肢に入る。
オクトパスエナジーの8,000円割引キャンペーンは本当か
2026年5月時点で、オクトパスエナジー・ジャパンは新規契約者向けに「友達紹介キャンペーン」として8,000円分のクレジットを提供している。紹介コード経由で申し込むと、紹介者・被紹介者双方に4,000円ずつ(合計8,000円)が付与される仕組みだ。
これに加えて、オクトパスエナジーの「グリーンオクトパス」料金プランは東電従量電灯B比で基本料金が同額、従量料金が第2段階(120〜300kWh)で約1.5円/kWh安い。月400kWh使う世帯で試算すると:
- 従量料金の差額: 約420円/月(第2段階180kWh × 1.5円 + 第3段階100kWh × 1.8円)
- 年間差額: 約5,040円
- 初年度は紹介キャンペーン4,000円を加算: 約9,040円の削減
Xで話題の「年1万円安くなる」は、月450kWh以上使う世帯(4人家族など)でキャンペーン込みなら達成可能な数字だ。ただし2年目以降はキャンペーン分がなくなるため、純粋な料金差は年5,000〜7,000円程度になる。
解約金ゼロの新電力5社キャンペーン比較(2026年5月時点)
乗り換えで最も重要なのは「解約金(違約金)がないこと」。以下の5社はいずれも解約金ゼロで、合わなければいつでも戻れる。
| 会社名 | キャンペーン内容(2026年5月) | 基本料金(30A) | 従量料金の特徴 | 解約金 |
|---|---|---|---|---|
| オクトパスエナジー | 友達紹介で4,000円クレジット | 858円(税込) | 東電比 第2・3段階で1.5〜1.8円安 | 0円 |
| Looopでんき | 新規申込で2,000円相当ポイント | 0円(市場連動型) | 30分ごとに単価変動(ピークシフトで安くなる) | 0円 |
| 東京ガスの電気 | ガスセット割で月額102円引き | 858円(税込) | 東電比 第2段階で約0.5円安、ガスセットで追加割 | 0円 |
| CDエナジーダイレクト | 新規でカテエネポイント最大10,000P | 858円(税込) | 東電比 第2・3段階で0.5〜1円安、ポイント還元あり | 0円 |
| Japan電力 | 基本料金0円キャンペーン継続中 | 0円 | 一律単価制(400kWh超で安くなる設計) | 0円 |
※料金は2026年5月時点の公表値。市場連動型プラン(Looopでんき等)は電力市場価格により月ごとに変動するため、上記は目安。
世帯人数別シミュレーション|東電との年間差額
以下は東京電力従量電灯B(30A)を基準に、各社の年間差額を概算したもの。キャンペーン特典は初年度のみ加算。
| 世帯 | 月間使用量目安 | オクトパス | Looopでんき | 東京ガス電気 | CDエナジー | Japan電力 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1人暮らし(20A) | 200kWh | -3,600円 | ±0〜-2,400円 | -1,800円 | -2,400円 | -1,200円 |
| 2人世帯(30A) | 300kWh | -6,700円 | -3,000〜-6,000円 | -3,600円 | -5,200円 | -4,800円 |
| 3人世帯(40A) | 400kWh | -9,040円 | -4,800〜-9,600円 | -4,800円 | -7,600円 | -8,400円 |
| 4人以上(50A) | 500kWh | -11,500円 | -6,000〜-12,000円 | -5,400円 | -9,800円 | -11,400円 |
※オクトパスは紹介キャンペーン4,000円込み(初年度)。Looopでんきは市場連動のため幅あり(2025年実績レンジ)。CDエナジーはポイント還元を金額換算して含む。
うちは3人の子どもがいて月450kWh前後使うが、オクトパスエナジーに乗り換えて初月の請求書で東電時代比1,100円安かった。年換算するとキャンペーン込みで約1万円の削減になる計算だ。
乗り換え手続きは10分で完了|必要なものと手順
新電力への切り替えは、現在の電力会社への解約連絡すら不要だ。新しい会社に申し込めば、切り替え手続きは新会社側が行う。
用意するもの:
- 現在の電気料金の検針票(またはWeb明細)— 供給地点特定番号とお客様番号が必要
- クレジットカードまたは口座情報
- メールアドレス
手順(オクトパスエナジーの場合):
- 公式サイトで料金シミュレーション(1分)
- プラン選択・個人情報入力(3分)
- 供給地点特定番号・お客様番号を入力(2分)
- 支払い方法を登録(2分)
- 申込完了 — 切替日は2〜3週間後に自動で決まる
スマートメーターが設置済みなら工事も立会いも不要。未設置の場合は送配電会社が無料で交換してくれる(在宅不要のケースが多い)。
乗り換え前に確認すべき3つの注意点
1. オール電化住宅は要注意
東電の「電化上手」「スマートライフ」などオール電化向けプランは深夜料金が安く設定されている。新電力に変えるとこの恩恵がなくなり、逆に高くなるケースがある。オール電化の場合はシミュレーション必須。
2. 市場連動型プランのリスク
Looopでんき・Japan電力など市場連動型は、電力市場が高騰する夏冬のピーク時に単価が跳ね上がる可能性がある。2024年1月には一時的にkWhあたり50円を超えた日もあった。使い方を工夫できる人向け。
3. マンションの高圧一括受電
マンション全体で高圧一括受電契約をしている場合、個別に新電力へ切り替えできない。管理組合に確認が必要。
FAQ
新電力に切り替えると停電しやすくなる?
送配電網は東京電力パワーグリッド等の送配電会社が管理しており、小売会社を変えても電気の品質・停電リスクは変わらない。万が一新電力が倒産しても、送配電会社から供給が継続される仕組みだ。
賃貸でも乗り換えできる?
電気の契約者名義が自分であれば、大家の許可なく切り替え可能。検針票に自分の名前があればOKだ。
オクトパスエナジーの紹介キャンペーンはいつまで?
2026年5月時点で終了日は未定(常設キャンペーン扱い)。ただし金額や条件は予告なく変更される可能性があるため、検討中なら早めの申込を推奨する。
元の東電に戻したくなったら?
解約金ゼロの会社なら、いつでも東電に戻せる。東電のWebサイトから再契約を申し込めば2〜3週間で切り替わる。手数料もかからない。
参考文献
- 電力小売全面自由化について — 資源エネルギー庁
- オクトパスエナジー・ジャパン公式サイト — Octopus Energy Japan
- 家計調査 — 総務省統計局
- 従量電灯B料金表 — 東京電力エナジーパートナー
- Looopでんき公式サイト — 株式会社Looop