フリマアプリ2本を使い分けると、同じ商品でも手取りが大きく変わる。メルカリの販売手数料は10%、ラクマは6%で、その差は4ポイント——売上が年30万円なら単純計算で1万2,000円、60万円なら2万4,000円の差になる。

ただし「全部ラクマに出せばいい」という話ではない。購入者層・決済方法・売れ行きスピードがプラットフォームによって異なるため、商品の種類によって使い分けることが効果的だ。本記事では2026年9月時点の手数料と各種条件をもとに、実質手取り試算表と出品振り分けルールを具体的に解説する。

メルカリとラクマの手数料・基本スペック比較(2026年9月時点)

まず両プラットフォームのコスト構造を整理する。

項目メルカリラクマ
販売手数料10%6%
売上金の振込手数料200円(10,000円以上の振込は無料)210円(一律)
主な配送サービスらくらくメルカリ便・ゆうゆうメルカリ便かんたんラクマパック(ヤマト・日本郵便)
購入者の主な決済クレカ・PayPay・コンビニほかクレカ・楽天ポイント・コンビニほか
月間利用者数(参考)約2,300万人約800万人(推計)

手数料だけ見るとラクマが有利だが、メルカリの利用者数はラクマの約3倍。売れるまでの時間が長くなれば「手数料の安さより回転率」で判断すべき商品も出てくる。

なお、ラクマは2021年10月に販売手数料を3.5%から6%に引き上げている。今後も変更の可能性があるため、利用前にラクマ公式FAQで最新の手数料を確認することを推奨する。

年間売上別・実質手取り試算表

手数料と振込手数料(月1回・年12回想定)を含めた年間の実質手取りを比較した。送料は出品者・購入者どちらが負担するかによって変動するため、ここでは手数料のみで試算している。

メルカリ(販売手数料10% + 振込手数料200円×12回)

年間売上販売手数料振込手数料実質手取り
10万円10,000円2,400円87,600円
30万円30,000円2,400円267,600円
60万円60,000円2,400円537,600円
100万円100,000円2,400円897,600円

ラクマ(販売手数料6% + 振込手数料210円×12回)

年間売上販売手数料振込手数料実質手取り
10万円6,000円2,520円91,480円
30万円18,000円2,520円279,480円
60万円36,000円2,520円561,480円
100万円60,000円2,520円937,480円

年間60万円の売上でラクマに出品した場合、メルカリと比較して約2万3,880円の差が生まれる。年間100万円なら約3万9,880円の差だ。「年間3万円節約」は年40〜60万円程度の売上帯で十分現実的な数字になる。

ただしこれはあくまで試算。実際には商品によって売れ行きスピードが異なるため、単純にラクマ一択にはならない。

商品カテゴリ別・出品振り分けルール

購入者層と商品の需要を踏まえた振り分け基準をまとめた。自分がせどりをやっていた頃に実際に試してきた感覚とも一致している部分が多い。

ラクマを第一選択にする商品

  • ブランド品・高額ファッション(1万円以上)——手数料差が金額ベースで大きくなる。ラクマでは楽天ポイントを使いたい購入者層が集まりやすく、ブランド志向層との相性がよい傾向がある
  • 本・CD・コミック——定価が低く手数料の絶対額は小さいが、出品数が多い場合は積み上げ効果が出る。ラクマのほうが競合出品が少ないジャンルも多い
  • 楽天関連グッズ・コレクターズアイテム——ラクマのユーザー層には楽天ヘビーユーザーが多く、特定の商品カテゴリで需要が集まりやすい
  • 売れるまで時間をかけていい中古品全般——急ぎでなければ手数料の安いラクマで粘るのが手取り最大化につながる

メルカリを第一選択にする商品

  • 家電・ゲーム機・ガジェット類——検索数が多く回転が速い。価格競争も激しいため、2〜3日以内に売り切りたい商品はメルカリの集客力を活かす
  • 日用品・消耗品・セット物——衝動買い需要が高い。メルカリの「ながら見」ユーザーに刺さりやすく、短期売却に向く
  • 限定品・新発売直後の商品——鮮度が命の商品はスピード優先。メルカリの利用者数で早期売却を狙う
  • 大型家具・家電(梱包・発送たのメル便対応)——ラクマには同等の大型配送サービスがなく、メルカリ一択になるケースが多い

両方に出品する(二重出品)が有効なケース

  • 価格を変えて反応を試したいとき(メルカリは若干高め、ラクマは低め設定)
  • 売れるまで時間がかかる骨董品・趣味品(片方で売れたら即もう一方を削除する)

二重出品は禁止されていないが、どちらかで売れた直後に削除できる環境が前提だ。通知を見逃すと二重販売トラブルになるため、スマホの通知をオンにしておくことを忘れずに。

手数料差を最大活用する実践3ステップ

振り分けルールを決めるだけでなく、運用の型を整えることで効果が安定する。

Step 1: 出品前に手取り額を試算する

メルカリの場合、売価×0.9が手取りの上限。ラクマは売価×0.94。たとえば2万円の商品であれば:

  • メルカリ: 20,000円 × 0.9 = 18,000円
  • ラクマ: 20,000円 × 0.94 = 18,800円(差額800円)

単価が高い商品ほど差額は大きくなる。出品前に電卓で試算する習慣をつけておくと、どちらに出すべきかの判断が速くなる。

Step 2: 梱包コストと送料の確認

らくらくメルカリ便とかんたんラクマパック(ヤマト)は同サイズ帯でほぼ同等の料金設定だ。2026年時点で60サイズはどちらも700円前後。送料コストが大きく変わらないため、手数料差がそのまま手取り差に直結する。

Step 3: ラクマで売れ残ったらメルカリへ転記する

ラクマで2週間売れなかった商品は、メルカリに同額か若干下げて転記する。別プラットフォームに移すことで新鮮な購入者の目に触れ、大幅値下げなしで売れるケースが多い。月商400万円時代に在庫を大量に抱えた経験から言うと、売れ残りを一か所で放置するより積極的に流通させる方が最終的な損切り幅が小さくなる。

注意点:確定申告と税務ルール

フリマアプリの売上は条件によって確定申告が必要になる場合がある。2026年9月時点の基本ルールを整理しておく。

  • 給与所得者(会社員): 年間の売上から仕入れ・手数料・送料などのコストを差し引いた利益が20万円を超えると、原則として確定申告が必要(国税庁 No.1900
  • 不用品の売却: 家庭で使っていた衣類や家具などの生活用品は原則として非課税(生活用動産)。ただし貴金属・書画骨董は1個30万円超から課税対象
  • 住民税: 利益が20万円以下でも住民税の申告が必要な自治体がある。居住地の市区町村に確認すること

メルカリ・ラクマともに売上履歴は各アプリ内で確認できる。複数プラットフォームを使う場合は、売上・仕入れ・送料をExcelや家計簿アプリに記録する習慣をつけておくと、申告時の集計が楽になる。

FAQ

ラクマの手数料は今後また変わる可能性がありますか?

ある。ラクマは2021年10月に3.5%から6%に引き上げた経緯があり、今後の変更も否定できない。定期的にラクマ公式FAQで最新の手数料を確認する習慣をつけておこう。本記事の数字は2026年9月時点のものだ。

メルカリとラクマで同じ商品を二重出品してもいいですか?

規約上は禁止されていないが、片方で売れたら即もう一方を削除する必要がある。削除が遅れると「二重販売」トラブルになり評価が下がる。スマホの通知をオンにして、すぐ対応できる環境でのみ実施すること。

送料はどちらが安いですか?

2026年時点では60サイズ帯でほぼ同額(700円前後)。ただし大型商品はメルカリの「梱包・発送たのメル便」が選択肢になる一方、ラクマは小型〜中型に強い。配送サービスの最新料金は各公式サイトで確認してほしい。

楽天ポイントはラクマで使えますか?

購入者がラクマで楽天ポイントを使って購入することができる(出品者は通常の売上金で受取)。楽天経済圏ユーザーが購入層に多いため、やや高めの値付けでも成約しやすい商品がある。

年間売上が20万円以下なら確定申告は不要ですか?

給与所得者の場合、フリマの「利益」(売上から仕入れ・手数料・送料を引いた額)が20万円以下なら所得税の確定申告は原則不要。ただし住民税の申告が必要な自治体もあるため、居住地の市区町村窓口または国税庁サイトで確認すること。

参考文献