2025年10月、メルカリは「継続的に営利目的で出品する個人」に対し、メルカリShopsへの移行を事実上義務化する規約改定を実施した。月間50品以上の出品、または月商10万円超の実績がある個人せどらーは、移行しなければアカウント制限のリスクがある。

筆者自身、物販全盛期に月商400万を回していた経験があるが、あの頃にこの規約があったら間違いなく対象だった。今回は「移行しないとどうなるか」「審査で落ちる原因」「手数料の実質負担はどう変わるか」を、2025年11月時点の情報で整理する。

メルカリShops移行が必須になった背景と対象者

2025年10月1日施行のメルカリ利用規約改定により、以下の条件に該当する個人出品者はメルカリShopsへの移行が求められるようになった。

  • 直近3ヶ月の平均出品数が月50品以上
  • 直近3ヶ月の平均売上が月10万円以上
  • 同一商品を繰り返し出品している(仕入れ転売が明らか)

結論から言うと、せどりを副業として月数万円以上稼いでいる人のほとんどが対象になる。メルカリ公式によれば、2025年12月時点で約8万アカウントに移行勧告が送付されている。

移行期限は勧告受領から90日間。期限を過ぎると出品機能が制限され、最悪の場合は利用停止になる。「まだ通知が来ていないから大丈夫」ではなく、条件に該当するなら早めに動くのが得策だ。

審査に必要な書類と通過のポイント

メルカリShopsの開設審査は、個人事業主または法人であることの証明が軸になる。2025年11月時点で必要な書類は以下のとおり。

個人事業主の場合

  • 本人確認書類(運転免許証 or マイナンバーカード)
  • 開業届の控え(税務署受付印付き or e-Tax送信済証明)
  • 直近1年分の確定申告書B(青色申告決算書があればなお可)
  • 特定商取引法に基づく表記に使用する住所・電話番号

審査に落ちやすいパターン

X(旧Twitter)やせどりコミュニティでの報告を集約すると、以下のケースで否認されやすい。

  • 開業届を出していない — 最も多い否認理由。提出から審査申請まで最低2週間は空ける
  • 確定申告の実績がない — 開業1年未満でも住民税申告書や収支内訳書で代替可能な場合あり
  • 特商法表記の住所にバーチャルオフィスを使用 — 2025年10月以降、一部のバーチャルオフィス住所が否認対象に
  • 過去に規約違反歴がある — 無在庫転売や禁止出品物の取扱い履歴

審査期間は公式では「5営業日以内」とされているが、実際は2〜3週間かかるケースが多い。年末商戦(11〜12月)や確定申告期(2〜3月)は混雑する傾向にある。

手数料の比較|個人出品 vs メルカリShops

「Shopsに移行すると手数料が上がる」という声をよく聞くが、結論から言うと販売手数料率そのものは同じ10%だ。違いは振込周りのコストにある。

項目個人出品メルカリShops
販売手数料10%(税込)10%(税込)
振込手数料200円/回200円/回
振込スケジュール任意のタイミングで申請月1回自動振込(毎月10日締め・翌月10日払い)
売上金の有効期限180日(メルペイ残高に自動移行)なし(自動振込のため)
送料らくらくメルカリ便(出品者負担が一般的)らくらくメルカリ便 + クールメルカリ便対応
値下げ交渉あり(コメント経由)なし(固定価格販売)

2025年11月時点のメルカリShops公式ヘルプによれば、振込手数料200円は売上が1万円未満の場合に発生し、1万円以上の場合は無料になる。月商10万円以上のせどらーであれば、振込手数料の負担は実質ゼロだ。

ただし注意点がある。個人出品時代は売上をメルペイ残高として仕入れに回せたが、Shopsでは自動振込のため、仕入れ資金として即座に使えない。キャッシュフローの観点では、振込日から仕入れまでのタイムラグを考慮した資金計画が必要になる。

移行後に売上が落ちる原因と対策

せどりコミュニティでは「Shopsに移行したら売上が3〜5割落ちた」という報告が相次いでいる。自分も物販時代に在庫が積み上がって倉庫代だけで月15万吹っ飛んだ経験があるが、売上が落ちるのは在庫リスクに直結するから本当に怖い。原因を分析すると、主に3つのパターンがある。

原因1: 値下げ交渉がなくなり「お得感」が消えた

個人出品では「コメントで値下げ依頼→承諾→購入」の流れが購買意欲を刺激していた。Shopsは固定価格のため、この心理的トリガーが使えない。対策としては、セール機能(期間限定値下げ)やクーポン配布を活用する。

原因2: 検索アルゴリズムでの表示順位が変わった

Shops商品は個人出品と同じ検索結果に表示されるが、出店初期はShops内の評価・販売実績がリセットされるため、表示順位が下がりやすい。対策は、移行後1ヶ月間は薄利でも販売件数を稼ぎ、Shops内のランクを上げること。

原因3: フォロワーへの通知が届かなくなった

個人アカウントのフォロワーとShopsのフォロワーは別管理。移行時に自動引き継ぎされないため、既存顧客に「Shopsをフォローしてください」と案内する必要がある。プロフィール欄やこれまでの取引メッセージで告知するのが効果的だ。

移行の具体的な手順(2025年11月時点)

実際の移行は以下のステップで進める。所要時間は書類準備済みなら申請自体は15分程度。

  1. 開業届の提出(未提出の場合) — e-Taxまたは税務署窓口で。freeeやマネーフォワードの開業届作成機能を使えば5分で完了
  2. メルカリアプリ → Shops → 「ショップを開設する」をタップ
  3. 特定商取引法に基づく表記を入力(氏名・住所・電話番号)
  4. 本人確認書類のアップロード
  5. 確定申告書または開業届のアップロード
  6. 審査待ち(2〜3週間。否認時は理由が通知される)
  7. 承認後、商品を再出品 — 個人出品の商品は自動移行されないため手動で再出品が必要

注意: 個人出品で取引中の商品は、取引完了後にShopsへ出品し直す。並行して両方で出品することは規約上認められていない。

FAQ

メルカリShopsに移行しないとアカウント停止になる?

即座に停止されるわけではないが、移行勧告から90日を過ぎると出品機能が制限される。最終的には利用停止の可能性もあるため、早めの対応が推奨される。

開業届を出していなくても審査に通る?

原則として通らない。開業届は税務署に提出すれば即日受理されるため、審査申請前に必ず済ませておくこと。e-Taxなら自宅から5分で提出可能だ。

副業バレが心配。特商法表記に自宅住所を載せたくない

バーチャルオフィスの住所を使用できるが、2025年10月以降は一部のバーチャルオフィスが審査で否認される事例がある。利用前にメルカリShops対応を明記しているサービスを選ぶこと。なお、住所は購入者からのみ閲覧可能で、検索エンジンには表示されない。

個人出品時代の評価やフォロワーはShopsに引き継がれる?

引き継がれない。Shopsは新規アカウントとして扱われる。ただし個人アカウント自体は残るため、購入用途では引き続き利用できる。

確定申告をしていない年がある場合はどうなる?

直近1年分の申告実績が求められる。未申告の場合は先に期限後申告を行い、受付印付きの控えを取得してから審査に臨むのが確実だ。

参考文献