副業ブログで年間20万円を超える収入が生じた場合、確定申告は義務となる。しかし同時に、ブログ運営に要した費用を「必要経費」として差し引く権利もある。サーバー代、ドメイン代、WordPressテーマ、ChatGPT・Claude等のAIサブスクリプション——これらを正しく帳簿に記帳し経費計上することで、課税される所得を合法的に圧縮できる。

本記事では2026年8月時点の税制をもとに、副業ブログの4大コストを帳簿に記帳して確定申告する具体的な手順を、実際の仕訳例とともに解説する。各サービスの料金は変動するため、最新情報は必ず公式サイトで確認してほしい。

副業ブログの「必要経費」——基本ルールを押さえる

所得税法上、副業(ここでは副業ブログ)の収入を得るために直接かかった費用は必要経費として収入から差し引ける。副業ブログの所得区分は原則「雑所得」で、必要経費を引いた後の金額が年20万円を超えると確定申告が必要になる。

経費計上の効果は具体的に見ると明確だ。たとえば年間のブログ広告収入が35万円、必要経費が12万円であれば、申告する雑所得は23万円になる。経費ゼロで申告した場合に比べ、課税所得が12万円分圧縮される。所得税率20%なら2万4,000円の節税効果だ。

なお、事業規模が認められれば「事業所得」として青色申告特別控除(最大65万円)を活用できるが、副業ブログの多くは雑所得扱いとなる。まずは雑所得前提で4大コストを正確に記帳することが先決だ。

サーバー代とドメイン代の経費計上——仕訳例付き

ブログ運営で最も基本的な経費がサーバー代とドメイン代だ。副業ブログ専用のサーバーであれば原則として100%経費計上できる(趣味ブログと同じサーバーを使っている場合は按分が必要)。

サーバー代の仕訳例

2026年8月時点、主要レンタルサーバーの年間費用は概ね1万〜2万円台が多い(例:Xserverスタンダードプラン・ConoHa WINGなど。Xserver公式料金ページConoHa WING公式で最新料金を確認のこと)。年間払いで決済した場合は支払い日に全額計上する現金主義で問題ない。

日付勘定科目借方貸方摘要
2025/12/01通信費13,200円クレジットカードレンタルサーバー年払い(副業ブログ用・税込)

勘定科目は「通信費」を使うのが一般的だ。freee・マネーフォワード等のクラウド会計でも通信費で登録するケースが多い。科目は一度決めたら年間を通じて統一する。

ドメイン代の仕訳例

年間1,500〜3,000円程度が一般的だ(お名前.com公式料金ページ参照)。ドメイン代も「通信費」か「雑費」で計上する。

日付勘定科目借方貸方摘要
2025/11/15通信費1,628円クレジットカードお名前.com .comドメイン年間更新(副業ブログ用・税込)

WordPressテーマの経費計上——按分ルールと少額減価償却

有料WordPressテーマは買い切り型が多く、一般的に10万円未満のため購入年に一括経費計上できる。国税庁の解釈では、取得価額10万円未満の少額減価償却資産は全額を支出時の必要経費にできる(国税庁タックスアンサー No.2105)。

日付勘定科目借方貸方摘要
2025/6/20消耗品費17,600円クレジットカードWordPressテーマ購入(副業ブログ専用・税込)

ただし1つのテーマを副業ブログと趣味ブログで共用している場合は按分が必要だ。副業ブログの記事数比率や収益発生割合を按分根拠として設定し、その根拠をメモとして保存しておく。たとえば副業ブログ60記事・趣味ブログ40記事であれば6:4で按分し、17,600円 × 60% = 10,560円を経費計上する。

AIツール(ChatGPT・Claude等)の按分計上——2026年の実務

ChatGPT PlusやClaude Proなどのサブスクリプション(いずれも月額数千円程度)は、副業ブログ以外に日常業務や私的利用でも使うことが多い。そのため「業務按分」が必要になる(各サービスの最新料金はOpenAI公式Anthropic公式で確認のこと)。

按分の方法は以下の2つのアプローチが一般的だ:

  • 利用時間比率:月の総利用時間のうち副業ブログ関連が何割かを記録する(例:月20時間の利用のうちブログ用が14時間 → 70%)
  • 利用用途の記録:チャット履歴のフォルダ分け・用途メモを月次で残しておく
日付勘定科目借方貸方摘要
2025/12/01通信費2,100円クレジットカードChatGPT Plus 12月分 × 業務按分70%(副業ブログ用)

税務調査が入った際に按分根拠を説明できるよう、チャット履歴のカテゴリ分けや月次利用ログをスクリーンショットで保存しておくと安心だ。「なぜこの比率なのか」を第三者に説明できる記録が必要だ。

SNS運用代行とブログアフィリエイトを掛け持ちしていた頃、AIツールの按分比率を「業務65%」で設定してfreeeに月次自動入力していた。最初の年は確定申告ギリギリまで帳簿を放置してしまい、1月〜3月分の利用ログを全部洗い直すはめになった苦い経験がある。月次で仕訳を確認する習慣が、結局一番の時短になる。

帳簿の付け方と確定申告——freee・マネーフォワードで完結

副業ブログの雑所得申告であれば、複式帳簿は不要(白色申告の場合)。ただしクラウド会計を使うと入力・集計・確定申告書の作成が一括でできるため、freee確定申告マネーフォワード クラウド確定申告を使うのが実務的だ。

年間の申告スケジュール

  • 1〜3月:前年の経費領収書・銀行明細を整理、クラウド会計に入力
  • 2月中旬〜3月中旬:確定申告期間(毎年国税庁が発表する期日を確認すること)
  • e-Tax推奨:マイナンバーカードがあればスマホから申告可能(e-Tax公式

雑所得の申告書への記入場所

確定申告書の「雑所得」欄に総収入金額と必要経費の合計を記入する。経費の内訳明細は帳簿に残すが、申告書への添付は原則不要だ。ただし証拠書類(領収書・クレカ明細・銀行明細)は5年間の保存義務がある(国税通則法70条)。電子データでの保存も認められているため、クレカの明細PDFやスクリーンショットをクラウドストレージに整理しておくとよい。

4大コストの経費合計イメージ

項目年間目安按分経費計上額(例)
サーバー代12,000〜24,000円100%12,000〜24,000円
ドメイン代1,500〜3,000円100%1,500〜3,000円
WordPressテーマ10,000〜20,000円(購入年のみ)50〜100%5,000〜20,000円
AIツール(月額×12)24,000〜40,000円50〜80%12,000〜32,000円
合計経費目安30,500〜79,000円

FAQ

副業ブログの収入が20万円以下でも経費の記録は必要?

確定申告は不要でも、住民税の申告は原則必要だ(自治体によって異なる)。また翌年以降に20万円を超える可能性もあるため、経費の記録は毎年続けておくことを強く推奨する。1年間の記録がゼロから始まると後から遡るのが非常に大変だ。

サーバー代は「通信費」と「地代家賃」どちらで計上すべき?

どちらでも税務上の問題はない。ただし一度選んだ科目は年間を通じて統一する必要がある。freeeでは「通信費」がデフォルトで使われるケースが多く、迷ったら通信費でよい。翌年以降も同じ科目を使い続けることが重要だ。

ChatGPTの無料プランを使っている場合も経費になる?

無料プランは費用が発生していないため経費計上できない。ChatGPT Plus等の有料プランへの課金が発生している場合のみ、業務按分した金額が経費の対象になる。

WordPressテーマを複数サイトで使い回している場合の按分方法は?

副業ブログの記事数・収益発生割合・運用時間のいずれかを按分の根拠として設定するのが一般的だ。たとえば副業ブログ60記事・趣味ブログ40記事なら6:4で按分する。按分根拠はメモや表として保存しておくこと。

経費計上で赤字になった場合、給与所得と相殺できる?

雑所得は赤字になっても給与所得から差し引くことはできない(損益通算不可)。ただし同年の他の雑所得と合算して計算する。副業ブログが赤字でも、他に黒字の雑所得があれば合算後の金額で申告する。

参考文献