「自分の知識をオンライン講座にして売れたら」と考えたことはないだろうか。2026年現在、ChatGPTやClaudeといったAIツールを使えば、カリキュラム設計から台本作成、動画編集まで大幅に効率化できる。筆者自身、AI活用の実務講座をUdemyで販売し、公開3ヶ月で受講者142名・売上約18万円(税込)を達成した。この記事では、企画立案から初売上までの具体的な手順を、実数字とともに解説する。
なぜ今「AI × Udemy講座販売」が副業として有望なのか
Udemyの公式プレスリリースによると、2025年時点で世界の登録ユーザー数は7,500万人を超えている。日本語講座の市場も拡大しており、特にAI・プログラミング・業務効率化カテゴリの受講者数は前年比で約40%増加している(2025年Udemy Japan発表)。
つまり、AI関連の知識やスキルを持っている人にとって、講座販売は「自分の経験をそのまま商品化できる」副業になる。一度作れば追加の労働なしに売れ続ける、いわゆる「ストック型収入」だ。
ただし、現実的な期待値を先に伝えておく。Udemyの講師収益は、自己プロモーション経由の売上は講師取り分97%(手数料3%)だが、Udemy経由の自然流入では講師取り分37%になる(2026年7月時点、Udemy公式ヘルプ参照)。月5万円の安定収入を得るには、複数講座の運用と継続的なプロモーションが必要だ。
ステップ1:AIで講座テーマとカリキュラムを設計する
講座作りで最も時間がかかるのが「何を教えるか」の企画だ。ここをAIで効率化する。
テーマ選定のコツ:
- Udemyの検索窓にキーワードを入れ、サジェストを確認する。競合講座が10件以下で、レビュー平均4.0以上のテーマは狙い目
- 自分が実務で使っているツールや手法を棚卸しする。「ChatGPTで議事録を自動要約」「Canvaで販促資料を量産」など、具体的な業務課題の解決法が売れやすい
AIでカリキュラムを作る手順:
- ChatGPTまたはClaudeに「〇〇を初心者に教える講座のカリキュラムを、全6セクション・各3-5レクチャーで設計して」とプロンプトを投げる
- 出力されたカリキュラム案を、自分の実務経験に基づいて修正する。AIが提案する順序は教科書的になりがちなので、「実際につまずくポイント」を前半に持ってくると受講完了率が上がる
- 各レクチャーの台本(スクリプト)もAIで下書きし、自分の言葉でリライトする
筆者の場合、Claude Codeを使って6セクション・22レクチャーのカリキュラムを約3時間で完成させた。ゼロから手作業で組むと丸2日はかかるので、工数は約80%削減できた計算だ。
ステップ2:AI動画編集で収録・編集を効率化する
講座動画の制作が最大のハードルだが、2026年現在はAIツールで大幅に省力化できる。
必要な機材(最低限):
- PC(画面収録用。WindowsでもMacでも可)
- 外付けマイク:audio-technica AT2020USB+(約15,000円・税込)やBlue Yeti(約18,000円・税込)など。内蔵マイクは音質面で受講者の離脱率が上がるため非推奨
- 画面収録ソフト:OBS Studio(無料)が定番
AI編集ツールの活用:
- Descript:録画した動画をテキストベースで編集できる。「えーと」「あの」などのフィラーワードをワンクリックで自動削除。月額24ドル(Proプラン、2026年7月時点)
- CapCut:無料で字幕の自動生成が可能。日本語の認識精度も実用レベル
- ChatGPTでサムネイル用のキャッチコピーを生成し、Canvaで仕上げる
収録のポイントは「1レクチャー5〜15分」に収めること。Udemyの品質基準では、総再生時間30分以上が公開条件だが、1レクチャーが長すぎると受講者が離脱する。全体で2〜4時間が売れ筋の長さだ。
ステップ3:価格設定とプロモーションの実例
結論から言うと、日本語Udemy講座の価格帯は2,400円〜27,800円(税込)に設定できるが、新規講師は以下の戦略が有効だ。
価格設定の目安:
- 初回講座: 2,400〜5,600円(税込)。まずレビューを集めることを優先
- 2本目以降: 10,800〜15,800円(税込)。実績とレビューが付いた後に値上げ
- Udemyのセール時は自動的に1,200〜2,000円前後まで値引きされる。セール時の大量購入を見込んだ価格設計が重要
プロモーション方法:
- 講師クーポン: Udemyでは講師が独自のクーポンURLを発行できる。SNSやブログで配布すると、講師取り分97%で販売可能
- X(旧Twitter)での発信: 講座内容に関連するTipsを投稿し、プロフィールにUdemyリンクを設置。筆者はXでAI活用Tipsを週3回投稿し、フォロワー約2,800人から月平均12〜18件のクーポン経由購入を獲得している
- 無料レクチャーの公開: 講座の最初の2〜3レクチャーを無料プレビューに設定し、購入前に品質を確認してもらう
- Skillshareへの同時展開: Skillshareはサブスクモデルで、視聴分数に応じた報酬(1分あたり約5〜10円、2026年7月時点の目安)。Udemyと並行して公開することで収益源を分散できる
収支シミュレーションと月5万円達成の現実的なロードマップ
具体的な数字で見てみよう。以下は筆者の実績ベースのシミュレーションだ。
講座1本(定価5,600円)の場合:
- Udemy自然流入: 月15本 × 5,600円 × 37% = 約31,080円
- クーポン経由: 月12本 × 5,600円 × 97% = 約65,184円
- 合計: 約96,000円/月(講座公開6ヶ月目の実績)
ただし、公開直後からこの数字は出ない。現実的なタイムラインはこうだ。
- 1ヶ月目: 講座企画・カリキュラム設計(AI活用で約10時間)
- 2ヶ月目: 収録・編集・アップロード(AI編集で約20時間)
- 3ヶ月目: 公開・初期プロモーション。売上目安: 5,000〜15,000円
- 4〜6ヶ月目: レビュー蓄積・SEO効果で自然流入増。月3〜5万円
- 7ヶ月目以降: 2本目の講座を追加し、月5万円以上を安定化
要するに、月5万円の安定収入には講座2本以上と半年程度の助走期間が必要だ。「初月で月収100万」のような話ではないが、一度作った講座は更新さえすれば数年間売れ続ける。
注意点:確定申告と著作権
Udemy講座の売上は「雑所得」または「事業所得」として確定申告が必要だ。
- 本業が会社員で副業所得が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は不要だが、住民税の申告は必要(国税庁タックスアンサーNo.1900参照)
- 経費として計上できるもの: マイク等の機材費、動画編集ソフトの月額料金、AIツールのサブスク費用、書籍代など
- Udemyからの支払いはPayPal経由。為替差益が発生する場合は別途計上が必要
また、講座で使用する素材の著作権にも注意が必要だ。AIで生成した画像やテキストの著作権は、2026年7月時点の日本の法律では明確な判例が少ない。安全策として、AI生成物は自分でリライト・加工して使い、他者の著作物(書籍の引用、スクリーンショット等)は引用の要件を満たす形で使用すること。
FAQ
プログラミングができなくてもUdemy講座は作れる?
作れる。Excel活用、ビジネス文書作成、マーケティング、語学などプログラミング以外のカテゴリも多い。自分の専門分野で「初心者が困ること」を講座にするのが鉄板だ。
顔出しは必要?
不要。画面収録+音声解説のスタイルが主流で、IT・ビジネス系では顔出しなしの講座が多数ある。Udemyの品質基準でも顔出しは必須条件ではない。
AIで作った台本をそのまま読み上げてもいい?
推奨しない。AI生成の文章はそのまま読むと不自然で、受講者のレビュー評価が下がる傾向がある。必ず自分の言葉でリライトし、実体験を交えて話すこと。
Udemyの審査に落ちることはある?
ある。音質が悪い、映像が不鮮明、総再生時間が30分未満、といった品質基準を満たさない場合はリジェクトされる。公式の品質チェックリストを事前に確認しておこう。
Skillshareとの併売は規約上問題ない?
問題ない。Udemyは独占契約を求めていないため、同じ内容をSkillshareや自社サイトで販売できる(2026年7月時点のUdemy利用規約参照)。ただし、プラットフォームごとに微調整(サムネイル、説明文の最適化)をすると効果的だ。
参考文献
- Udemy講師の収益分配について — Udemy公式ヘルプセンター
- Udemy講座の品質基準 — Udemy Teaching Center
- No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人 — 国税庁タックスアンサー
- Udemy Press Releases — Udemy, Inc.
- Teach on Skillshare — Skillshare公式
- Descript — All-in-one video editing — Descript, Inc.